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「チェンジマネジメントに抵抗する人」にはどう向き合えば良いのか?タイプ別に根本原因から打ち手、具体施策まで解説

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チェンジマネジメントに抵抗を感じる3つのタイプ

チェンジマネジメントに抵抗を感じるメンバーは3つのタイプに分類されます。

チェンジマネジメントを進んで受け入れるタイプ(1) アーリーアダプター(早期適用者)
アーリアダプターは元来、変化に対する抵抗感が少なく、いち早く積極的に変化を受け入れ、チェンジマネジメントの推進に取り組もうとするメンバーです。チェンジマネジメント推進の早い段階でアーリーアダプターのメンバーをできるだけ多く味方にし、プロジェクトに参加してもらうことが変革をスムースに実行する上でのポイントとなります。

チェンジマネジメントに抵抗を感じるタイプ(2)不安とためらいを感じている人たち
次は、最もボリュームの多いタイプのメンバーたちで、変化することそのものに不安やためらいを感じているメンバーです。このタイプに対して変革を促していくには、かなりの多くの時間と注意が必要です。このタイプが変革を肯定的に受け取るかどうかは、その変革がいかに効果的で効率的に推進されるかによって決定されます。このタイプを変革に巻き込むには、直属の上司やコーチングの役割を担うメンバーたちが重要な役割を果たします。

チェンジマネジメントに抵抗を感じるタイプ(3) 最も強く抵抗を感じている人たち
最後は、そもそも変化をすることそのものへの耐性がなく、組織の変革を支持しようとしないメンバーです。このタイプは往々にして、他部署への異動、転職や退職など、変革の当事者から逃げようとします。一般的に少数派であることが多いため、まずは、アーリアダプターや最もボリュームゾーンである「不安とためらいを感じている人たち」に対してエネルギーを集中させることが重要です。 

タイプ別への対応方針と具体的な施策例

メンバーのタイプが分別された後、タイプ別にどのように対応していけば良いか、具体的な施策例も紹介しながら解説していきます。

「アーリーアダプター(早期適用者)」への対応方針と施策例
アーリーアダプターに対しては、チェンジマネジメントにより積極的に関わり、それ以外の社員たちを自ら巻き込んでもらうよう働きかけ続けることが重要です。

具体的な施策例としては、下記が挙げられます。
・昇格や昇進、重要ポジションへの抜擢任用などの人事異動を適用させる
・全メンバーの中から選抜して行う次世代経営者向け研修や、新規事業の発案を促して実際に事業化の推進をサポートする新規事業創発やインキュベーションの仕組みを作る等、育成環境の構築と運用
・実際にメンバーがあげたチェンジマネジメント関連の成果を評価項目やナレッジシェアリングの仕組みに組み込むこと

アーリーアダプターのメンバーがポジティブに、より当事者意識を発揮して変革を推進するような仕組みを作り、上げた成果をいろいろな形で承認することで、それを見た「不安とためらいを感じている人たち」に対して「私もああなりたい」と思わせることがポイントとなります。

「不安とためらいを感じている人たち」への対応方針と施策例
「不安とためらいを感じている人たち」に対しては、アーリーアダプターのメンバーによる地道な巻き込み活動を続けることが重要になります。

具体的な施策例としては、下記が挙げられます。
・アーリーアダプターが上げた成果を表彰等の形で全体に共有し、成果を上げたポイントや何故成果をあげられたのかについて当事者から語ってもらう座談会などの場を作る
・日々の業務において上長と部下による1on1を週次などで実施し、変革への動機づけをしていく
・変革の必要性や変革していかないと自分たちにどのようなマイナス影響を及ぼすのかについて、全社説明会や部会などの場で継続説明していく

これらの施策を地道に実行していくと、不安とためらいを感じているメンバーの中から徐々に変革に対して肯定的に受け止めて実際に行動するメンバーが現れます。

こうしたメンバーはアーリーアダプターのサポートや刺激を受けながら、実際に成果を出し、積極的に周りにも働きかけていくなど行動が変化していきます。このメンバー間で変革モチベーションが伝搬する「ネットワーク効果」を最大化するための施策を打っていくことがポイントとなります。

「最も強く抵抗を感じている人たち」への対応方針と施策例
「最も強く抵抗を感じている人たち」に対しては、周りの変革を邪魔しないよう断固たる向き合い方をする必要があります。

具体的な施策例としては、下記が挙げられます。
・行動指針を定め、それを本人の評価項目に組み込み、周囲の変革を邪魔するような動きをした場合には相応のフィードバックをしていく
・本人と1on1などを定期的に行い、変革を促していく努力はしつつも、変革による影響が少ない部署へ人事異動をさせるなどの抜本的措置をとる

「最も強く抵抗を感じている人たち」は変化をすることそのものへの耐性がなく、組織の変革を支持しようとしないメンバーですが、極めて少数です。このタイプのメンバーが他のタイプの足を引っ張ったり、邪魔したりすることがないように対処することが最重要ポイントとなります。

チェンジマネジメントに抵抗を感じる根本的な心理的原因

チェンジマネジメントへの抵抗は、人間の本能的な心理によって引き起こされるものであり、極めて自然で正常な反応です。どのような心理的特徴に基づき、チェンジマネジメントへ抵抗しているのかついて解説していきます。

チェンジマネジメントに抵抗感を感じるメンバーの特徴(1) 自分の仕事以外に無関心
組織の縦割りの構造に留まり、他部署の業務に興味・関心を示さないメンバーです。所属部署の自分の担当外の業務は一切受け付けず、「それはウチには関係ない」というスタンスをとるため、部署間の連携を阻害する要因となります。

チェンジマネジメントに抵抗感を感じるメンバーの特徴(2) 会社の外のことに無関心
会社や所属する部署の評判ばかりを気にし、顧客や市場に対して関心を抱かないメンバーのことです。顧客や市場のニーズ、競合や類似サービスの状況など外部の情報に疎いため、会社を変革する必要性を理解しません。企業が変革しようとする動きに反発する傾向があります。

チェンジマネジメントに抵抗感を感じるメンバーの特徴(3) できない理由を言い続ける
組織がチェンジマネジメントをする理由を説明されても、できない理由ばかりを述べ、行動しないメンバーのことです。会社の変革に対して否定的な意見しか言わないので、周りの変革に対するモチベーションを下げる要因となります。

チェンジマネジメントに抵抗感を感じるメンバーの特徴(4) 評論ばかりで動かない
会社や事業の問題点を指摘するのみで、自分自身で解決に向けて行動しようとしないメンバーのことです。この評論家タイプは、会社が変革しなくてはならない事を説明しても、自分自身では動こうとしません。

チェンジマネジメントへの抵抗パターン判定方法

チェンジマネジメントへの抵抗を極力抑えるには、チェンジマネジメントへの抵抗を示すメンバーがどのタイプに当たるのかを見極めることが重要です。

メンバーが変化に抵抗感を抱く最大の理由は、変革への根本的な必要性を認識できていないことです。そのため、変革の必要性に対する現時点の認識度合いがわかれば、抵抗感の根本原因を特定できます。

具体的には、以下のようなProsci ADKARモデルのAwareness(認知)、Desire(欲求)、Knowledge(知識)、Ability(能力)、Reinforcement(定着)に基づいた5つの質問をメンバーに投げかけ、回答してもらうことにより、抵抗の根本原因を突き止めた上で、どのタイプのメンバーに当てはまるのかを見極めるのです。

Awareness(認知)
なぜ変革が起きると思いますか?ビジネス、顧客、競合他社に関するどのような課題が変革の必要性を生むのか、考えを述べてください  

Desire(欲求)
この変革を支持しますか?変革を望むか否かの気持ちに影響を及ぼしている要因は何ですか?あなたは変革を積極的に受け入れますか?変革に対して中立を守りますか?それとも変革に反対しますか? 

Knowledge(知識)
必要なトレーニングを受けていますか?変革を支持するために必要だと思うスキルや知識を具体的に挙げてください。必要なスキルや知識を習得するためのトレーニングを、現在どの程度受けることができていますか? 

Ability(能力)
上記で挙げたスキルや知識を身につけるのに、何か困っていることはありますか?あるとすれば、それはどんな分野ですか?求められるスキルや知識から考えて、変革を実行するための自身の能力はどの程度だと評価していますか?

Reinforcement(定着)
必要なサポートを受けていますか?変革の推進や定着化に向けた方策やサポートは十分ですか?さらなるサポートや強化策を提供すべきと思う分野があれば教えて下さい。

まとめ

今回の記事ではチェンジマネジメントについて抵抗する人のタイプ分類とその対策を解説しました。コンサルティング案件などを探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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