ITコンサルタントは激務な傾向があります。そのため、独立して公私ともに充実した生活を目指したいと考えている方もいるのではないでしょうか。また、フリーランスのITコンサルタントは稼げるとの話も多くありますが、本当なのでしょうか。ここではフリーランスITコンサルタントの案件単価の相場や独立するために必要なことを紹介します。
目次
フリーランスのITコンサルとは
ここでは、フリーランスのITコンサルタントについてまずは紹介します。
特徴
まずフリーランスITコンサルタントの特徴を3つ紹介します。
自分の得意分野を中心に働ける
サラリーマン時代では自社の要望によって自分に合っていないポジションの仕事も引き受けなければならないこともありました。フリーランスになることで仕事を選べるようになります。また、自分の専門性の高い分野のコンサルタントと名乗ることで自分の得意分野を中心として働くことができます。
1つの仕事とクライアントのみに労働力を割ける
サラリーマン時代には自社の要請によって、自社の事務作業を行わなければならないケースやクライアントを掛け持ちしなければならないケースがあります。フリーランスであれば、1つの案件に集中して取り組むことができます。
顧客との関係構築が難しい
顧客との関係構築が難しいこともフリーランスITコンサルタントの特徴です。サラリーマンであれば、自社のネームバリューによりある程度の信頼性が担保されているので、比較的容易に関係構築ができます。フリーランスITコンサルタントとなると自分の実績だけが頼りということもあり、クライアントとの関係構築が難しくなります。
ITコンサルの種類
ITコンサルタントといっても様々な種類があります。ここではITコンサルタントと種類を簡単に紹介します。
ERPコンサルタント
企業の基幹システムを中心にERPパッケージの導入支援を担当するコンサルタントです。
PMOコンサルタント
主にプロジェクトマネジメントの支援を中心にサービスを提供するコンサルタントです。
セキュリティコンサルタント
企業の情報管理やセキュリティ対策の方法の立案や実行を支援するコンサルタントです。
ITマネジメント戦略コンサルタント
企業のIT戦略の立案や実行を支援するコンサルタントです。
SCMコンサルタント
購買調達、製造、物流、販売、出荷といった、材料の調達からお客様へ届けるまでの一連のプロセスを整理し、課題抽出およびその課題解決を支援するコンサルタントです。
CRMコンサルタント
顧客情報の管理方法や、顧客に最適なサービスを提供する情報の活用方法などの戦略立案、システム構築支援を行うコンサルタントです。
これ以外にも業務や求められるスキルによって様々なコンサルタントが存在します。自分の強みにあった専門的なコンサルタントとなることで効率的に実績を積める可能性があります。
働き方
フリーランスのITコンサルタントの働き方は様々です。ワークを中心にしたい場合にはバリバリ仕事をすることも可能ですし、ライフを重要視するのであれば、クライアントとの調整次第では週3、4勤務も可能です。ただし、その一方で、会社の有給制度など病気などで休んだ場合の保証がありませんので、体調管理には気を付けた働き方をするようにしましょう。
ITコンサル案件の単価相場
フリーランススタートで現在出ている案件を確認したところ、平均単価は86.1万円、中央値は75万円となっております。ボリュームゾーンとしては50万〜70万円と100万円以上と分かれております。中央値をベースにすると想定年収は900万円となっており、サラリーマンのITコンサルタントの平均年収が650万円程度であることから大幅に年収が上がっていることがわかります。
(参考:ITコンサルタントの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ))
フリーランスのITコンサルタントの業務工程、内容
ここではITコンサルタントの仕事内容を業務工程別に紹介します。
戦略・計画立案
まず最初に戦略・計画立案を行います。このフェーズでは企業の経営者やCIOなどの経営層からヒアリングを行い、IT投資計画の策定をサポートします。また、今回、実施するプロジェクトの目的やスケジュール、予算を経営陣と話し合い明確にしていきます。
要件定義
実施するプロジェクトが確定したら、続いて要件定義を行います。要件定義はクライアントの業務プロセスを明確にして、改善方針の検討を行います。また、新規の運用プロセスの策定や今後のWBSの策定、課題管理等を行います。
単体設計
単体設計では1つ1つの機能の設計を行います。このフェーズでは実際に設計するのはITコンサルタントではなく、専門のエンジニアの可能性もあります。一方、クライアントの要望やご自身のスキルによっては実作業を行うこともあります。実作業を担当しない場合には進捗管理や課題管理等を行い、クライアントとコミュニケーションを取りながら問題が発生しないように進めます。
詳細設計
詳細設計では1つ1つの機能の詳細な設計を行います。このフェーズでも実際に設計するのはITコンサルタントではなく、専門のエンジニアの可能性もあります。一方、クライアントの要望やご自身のスキルによっては実作業を行うこともあります。実作業を担当しない場合には進捗管理や課題管理等を行い、クライアントとコミュニケーションを取りながら問題が発生しないように進めます。
移行・リリース
開発が完了したら、移行を行います。このフェーズでは本番環境にどのようなスケジュールでプログラムを適用するのか、既存システムから新システムにどのようにデータを移行するのかスケジュールの検討や課題の整理、対応方針の検討を行います。このフェーズも専門のエンジニアが行う可能性もありますが、要望によってはITコンサルタント自身が作業を行う場合もあります。また、移行においてはタイトなスケジュールになることが多いため、常にクライアントのプロジェクトリード陣と話ができる段取りを整えておきます。
運用
運用フェーズでは課題のとりまとめや課題一覧を取りまとめて今後のスケジュールなどを策定します。また、次なる課題の解決に向けて経営陣と再び話し合い、次のプロジェクトの立案等を計画します。
フリーランスITコンサルに必要なスキル
ここでは、フリーランスITコンサルになるにあたって最低限必要なスキルを3つ紹介します。
マネジメントスキル
1つ目はマネジメントスキルです。フリーランスというと1人で仕事をするというイメージがありますが、ITコンサルタントともなると1人で仕事をすることは少ないです。エンジニアやクライアントを指揮する立場になる可能性もあるため、一定のマネジメント能力は必要不可欠になります。ITコンサルタントに必要なマネジメントスキルは、プロジェクト管理能力やスケジュール管理など多岐に渡ります。プロジェクトを成功させるためには、重要なスキルと言えます。
コミュニケーション能力
2つ目がコミュニケーション能力です。ITコンサルタントはクライアントの要望を整理して課題解決に導くことが仕事です。そのため、クライアントの要望を引き出す能力や相手にご自身の考えていることを正確に伝えるなど、様々なコミュニケーション能力が必要です。また、フリーランスという特性上、クライアントとの関係を良好に保ち、継続して案件を取得するというコミュニケーション能力も求められます。
問題解決力
3つ目が問題解決力です。ITコンサルタントはクライアントの課題を解決に導かなければなりません。そのため、論理的思考力や業務知識、IT知識など問題解決を行うための力が必要になります。特に、フリーランスでは信頼関係の構築のために、きちんとご自身の問題解決力の高さをアピールしなければなりません。
ITコンサルで独立するメリット、デメリット
ここでは、ITコンサルとして独立するメリット、デメリットを紹介します。
メリット
まずはメリットの紹介です。
技術があれば高単価案件が狙える
ITコンサルタントの単価は平均86.1万円ですが、実際には100万円以上の案件も多く存在しています。しっかりと技術を身に着けて、クライアントにアピールすることができれば、100万円以上の高単価案件も手の届く範囲内にあります。実力さえあれば、高年収を狙えるのはフリーランスならではのメリットと言えます。
柔軟な働き方
フリーランスで働くとなると個人の事情に合わせて柔軟な働き方が可能です。事前に調整しておくことで、希望に合わせて長期休暇の確保も可能です。長期休暇では、家族と1ヶ月間旅行に出かけたり、資格試験の勉強にも費やすことが可能です。また、クライアントとの調整によっては週3,4勤務とすることができ、ライフワークバランスを保った働き方を実現することも可能です。
デメリット
メリットがある一方で、フリーランスとなるとデメリットも存在します。ここではフリーランスITコンサルタントのデメリットを2つ紹介します。
トラブル対応
トラブル対応を個人で行わなければならないのはフリーランスならではのデメリットです。クライアントが個人事業主であることを下に見て、契約外の要求をしてくることもあります。その場合にも自分1人で問題解決を行わなければならず、苦労する可能性があります。
そのような場合に備えて、フリーランスのマッチングサービスを利用することをお勧めします。
(参考:foRPro)
働きすぎる可能性もある
フリーランスの場合には就業時間の制限がありません。そのため、クライアントに貢献しようとするがゆえに働きすぎてしまう場合もあります。業務量においてはご自身の対応できる範囲を確認して適切な量にするように心がけましょう。
フリーランスでITコンサルタントになる前にすべきこと
ここではフリーランスになる前にするべきことを3つ紹介します。
実績の確認
1つ目は実績の確認です。ご自身の実績を確認して、企業にアピール出来るようにしましょう。これまで担当してきたプロジェクトでの役割や成果などを明確にしましょう。
企業とのつながり
2つ目は企業のつながりの構築です。最初は案件の確保に苦労する可能性があります。そのような状況にならないためにも企業とのつながりを作っておくようにしましょう。これまでのプロジェクトの担当者と関係性を築いていくのが最も良い方法と言えるでしょう。
得意領域の把握
ご自身の得意領域の把握も大切です。自分がどのような案件に強いのかを明確にすることで企業により強くアピールすることもできるようになりますし、自分自身にも自信がつくでしょう。自分の得意領域を把握し、今後どのようなコンサルタントとして活躍したいのかビジョンを明確にしましょう。
案件獲得方法
案件を獲得するにあたって重要なポイントを紹介します。
PM・PMOなどのマネジメント経験
マネジメント経験があることがアピールできると企業とのマッチングに繋がりやすくなります。ITコンサルタントは1人で仕事をするわけではないので、このようなマネジメント経験は高単価案件に繋がります。
業界の深い理解
業界に対する深い理解も重要です。例えば、銀行などの金融業と化学メーカーなどの製造業ではビジネス構造が大きく異なります。そのため、IT戦略の立案方針やシステムとして重要なポイントも変わってきます。自分の得意な業界を明確にし、その業界に対する深い理解をアピールできることで企業とマッチングしやすくなります。
ITコンサルタントの将来性
IT業界は2021年から2026年まで年2.8%と堅調に成長していく想定です。そのため、IT開発も盛んになっていくと考えられます。企業は規模が大きくなるほど自社で管理できず、ITコンサルタントの力が必要となります。そのため、今後もITコンサルタントの需要は上昇していくと予測されています。
(参考:国内ITサービス市場予測を発表)
まとめ
今回の記事ではフリーランスのITコンサルについて解説しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。