ここ数年、ITの発展とともに新たな技術が出てきています。その中で注目を集めているものとしてメタバースというものが存在します。メタバースは近年、多くの企業でも使われ始め、お客様に新たな顧客体験を与えるツールとして着目されています。実はこのメタバースは一般の人でも簡単に利用ができるのです。ここではメタバースの開始方法や注意点を紹介します。
目次
そもそもメタバースとは?
メタバースは日本語では「仮想空間」という言葉で解釈されています。このメタバースとはオンライン上で構築される3次元空間のことです。メタバース上では多くの場合アバターという自分自身のキャラクターを作成し、アバター同士でコミュニケーションを取ったり、ライブや店舗販売も行えます。
メタバースの活用方法
メタバースがどのような業界で活用されているのか具体例を紹介します。
ゲーム
まず、もっともよくあるのがゲームです。オンラインゲームではメタバースを活用した様々なゲームが出てきています。例えば、有名なゲームとしてはVRchat、Cluster、Everdome、Decentralandなどがあります。例えば、Decentraland はメタバース空間に様々なコンテンツが存在しており、ユーザーはアバターとして仮想空間に入り、コンテンツを楽しむことができます。また、土地の販売もしており、仮想空間の土地を通して売買することも出来ます。
リモート会議
リモート会議でも使われ始めています。リモート会議だとSkypeやZoom、Teamsといった製品が主流ですが、顔を映さなければならず、状況によっては困難なケースもあるのではないでしょうか。そこでアバター同士で会議を行うという選択肢が近年登場しています。例えば、Meta Horizon Workroomsという製品では専用のVRヘッドセットを利用することで、アバター同士でリアルに近いコミュニケーションを行えます。
ショッピング
ショッピングの世界でも使われ始めるようになってきました。アバターとなったショッピングを楽しむことで、これまでのネットショッピングではできなかった他の人とのコミュニケーションなども可能になり、買い物の方法が広がります。例えば、メタパというメタバースショッピングモールでは様々な企業が出店しており、店舗を歩き回りながら買い物を楽しむことが可能です。メタパを始めるだけなら、アプリをダウンロードするとすぐに利用可能なのでメタバースの感覚を試してみたい方にはお勧めです。
メタバースを始めるために必要なもの
メタバースを始めるにはどのようなものが必要なのでしょうか。必要なものを紹介します。
暗号資産取引所の口座
まず必要なのは暗号資産取引所の口座です。暗号資産とはビットコインやイリーサムといった仮想通貨のことを指します。例えば、The Sandboxという仮想空間ではSAND(手数料代としてETH)、EverdomeではDOMEという仮想通貨が必要になります。これらの暗号資産を購入するのに必要なのが暗号資産取引所です。例えば、Coincehckなどが有名なので、口座を開設しましょう。ただし、通常の米ドルや日本円でも決済できるメタバースはあるので、利用したいメタバース空間の通貨を確認するようにしましょう。
Webウォレット
メタバースで取引するには暗号資産取引所で変換した暗号資産を財布に移さなければ使えません。この財布がWebウォレットです。MetaMaskやGinco、Coinomiなど様々なウォレットがあるので、比較検討し、こちらも開設を行いましょう。
プラットフォームの準備
コンテンツを売買するプラットフォームを決定します。プラットフォームにはVRchatやCluster、Everdomeなど様々な種類があります。それぞれに特徴が異なるので、ご自身が楽しみたい世界観にあったプラットフォームに登録しましょう。
メタバースの始め方
メタバースを開始するにあたって、一般的な方法を紹介します。
STEP1:仮想通貨用の口座開設
まずは仮想通貨用の口座を開設しましょう。Coincheckなどであればアプリで簡単に開設できます。開設する際には身分証明書が必要になるので、免許証などを準備しておきましょう。
STEP2:口座に入金
仮想通貨用の口座ができたら、日本円を入金しましょう。銀行口座と紐づけることで容易に入金できます。
STEP3:仮想通貨を購入
入金したら、いよいよ仮想通貨を購入します。利用したいプラットフォームで使える通貨がある場合(The SandboxであればSAND)にはその通貨を購入して、STEP5に進みます。日本では取り扱っている仮想通貨が少ないこともあり、購入できない可能性があります。その場合にはBitcoinなど別の通貨に換金しやすい通貨を購入しましょう。
STEP4:購入した仮想通貨を専用のコインに換金
日本で購入できない通貨(専用コイン)の場合、他の海外暗号資産取引所を経由して、Bitcoinなどメジャーな仮想通貨をもとに専用コインを入手する必要があります。海外暗号資産取引所を開設して専用コインに変換しましょう。
STEP5:専用コインをWebウォレットに送金
専用コインを購入したら、Webウォレットにコインを送金しましょう。Webウォレットはダウンロードすることですぐに始めることができます。
STEP6:メタバースとWebウォレットを連携
メタバースのプラットフォームとWebウォレットを連携させます。これにより、メタバース空間でコンテンツを購入できるようになります。
評判の高いメタバースのプラットフォーム
ここではメタバースを利用する際に必要なプラットフォームを紹介します。
VRchat
VRchatは2017年にリリースされたメタバース空間になっています。VRchatにはワールドと呼ばれる様々なメタバース空間が用意されており、ユーザーは好きなワールドに移動してコミュニケーションを楽しむことができます。開催されているイベントも多いほか、自分でワールドを作成することもできます。VRゴーグルとも連動しており、組み合わせることで臨場感のあふれるコンテンツを楽しむことが可能です。
取引通貨も基本的には法的通貨(日本円や米ドル)などに限られるため、仮想通貨用の専用口座を開設し、仮想通貨を購入しなくて良い点も魅力的です。
(参考:VRchat)
Cluster
Clusterは日本発のメタバース空間です。趣味やイベントに特化したメタバース空間であり、アバターが日本のアニメーションのような雰囲気なのが特徴です。Creator Kit を使うことで、ユーザーの思い描く世界を自由につくることができます。バーやゲーム、展示会など好みに沿った空間が存在しており、ご自身の好みに沿って遊ぶことができます。2020年のClusterイベントでは延べ300万人を動員するなど活気を見せています。
取引通貨も日本円のため、仮想通貨用の専用口座を開設し、仮想通貨を購入しなくて良い点も魅力的です。
(参考:Cluster)
Everdome

Everdomeは上記2つのイベント主体のコンセプトではなく、火星移住をコンセプトとしたこだわりがあるメタバース空間になります。圧倒的なグラフィックを誇り、多くの有名企業と提携しているほか、2022年の国際会議ではメタバース代表としてダボス会議にも招集されたことで注目を集めました。
取引通貨はDOMEという通貨であり、日本では取引されていません。そのため、日本の暗号資産取引所でBitcoinなど変換しやすい通貨を購入後、海外暗号資産取引所(BitFlyなど)を通じて専用通貨を入手しましょう。
(参考:Everdome)
メタバースを始める際の注意点
ここではメタバースを始める際の注意点を紹介します。
送金先URLに注意
送金先のURLには注意が必要です。送金先URLは銀行の振込先と同じです。間違ってしまうと返金できない可能性が高いので、慎重に送金するようにしましょう。
パスワードや秘密鍵の紛失に注意
パスワードや秘密鍵の紛失にも注意しましょう。忘れてしまうと復元するのが困難です。メモをとるのもハッキングのリスクが伴うので、極力控えるようにしましょう。
ウォレットのリカバリーフレーズを他者に教えない
MetaMaskなど多くのWebウォレットではリカバリーフレーズが用意されています。このリカバリーフレーズは万が一パスワードを忘れてしまった場合や別のスマホに移行するときなどに必要になります。このリカバリーフレーズを忘れてしまうとウォレットにアクセスできずに一生コインを引き出すことができなくなってしまいます。忘れないように徹底して管理するとともに、他者に絶対に教えないようにしましょう。
メタバースを始め方に関するよくある質問
ここではメタバースを開始するにあたってよく聞かれる質問を紹介します。
メタバースの年齢制限はある?
メタバースは年齢制限なしで始めることが可能なプラットフォームも存在します。しかし、多くは金銭のやり取りが伴うプラットフォームなので、年齢制限があると考えてよいでしょう。未成年の方はClusterなどであれば、制限なしで開始できるのでお勧めです。
スマホでメタバースはできる?
メタバースはスマホでも十分楽しむことができます。ClusterやMinecraftなどはその典型例です。ただし、VRゴーグルとかとセットでより臨場感をあふれるメタバース空間を提供しているサービスもあり、そのようなプラットフォームを利用したい場合にはパソコンを利用した方がお勧めです。
無料で開始できる?
メタバースの金銭のやり取りは基本的に任意です。したがって、ほとんど無料で楽しむことができます。自分の趣味のワールドにいってコミュニケーションを楽しんだり、イベントに参加したり、多くのことが無料で楽しめるようになっています。

まとめ
今回の記事ではメタバースの始め方をご紹介しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。