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【数字で解説】メタバースは本当に将来性はあるのか?市場の発展に向けた課題や投資事情について解説。

近年、急速に発展しているIT事業ですが、その背景には5Gの到来があります。5Gでは理論上10Gbpsの最高伝達速度が可能となり、既存の4Gの10倍となります。そのため、5Gの到来とともに新たなビジネスチャンスが到来しました。その中の1つがメタバースです。メタバースはこれまでも広義的に考えるとゲーム等では扱われていましたが、今後5Gの普及とともに様々なビジネスシーンで利用されることになると予想されます。

ここではメタバースの概要と活用事例等を中心に紹介します。

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メタバースとは

メタバースは日本語では「仮想空間」という言葉で解釈されています。このメタバースとはオンライン上で構築される3次元空間のことです。

端的にいうとサマーウォーズのOZの世界観と捉えると理解しやすいのではないでしょうか。ただし、OZの世界はかなり発展したメタバースのイメージであり、実際に登場しているアプリケーションでは、どうぶつの森や最近のポケモンはメタバースのイメージに近いものになります。

ただし、完全にオンライン上に構築されているわけではないので、広義に捉えるとメタバースと解釈できると捉えてください。

メタバース上ではユーザーはキャラクターを作成し、そのキャラクターを自由に動かすことができます。このキャラクターのことをアバターと呼びます。そして、オンライン上でアバター同士はコミュニケーションをとることができ、場合によってはライブや店舗販売も行うことができます。

メタバースの活用事例

実際に現在、どのような活用事例があるのか確認していきましょう。

オンライン会議

メタバースを活用したオンライン会議の様子
バーチャル会議室「Horizon Workrooms」で語るマーク・ザッカーバーグCEO(のアバター)

まずはオンライン会議での活用事例を紹介します。テレワークが浸透してきたため、オンライン会議を行う機会も増えているのではないでしょうか。オンライン会議となるとカメラをオンにする必要があるものの、周りの状況等により難しいことも少なくありません。そこでオンライン会議にアバターで参加させるという選択肢が近年出てきております。

この方法により、カメラオフの状態で表情豊かにコミュニケーションを取ることができるようになりました。

ゲームでの利用

メタバースゲームの事例
NFTDUEL Metaverse based NFT Trading card GameFi

ゲームの利用では先ほど紹介した「あつまれ どうぶつの森」や「Minecraft」がよい例なのではないでしょうか。「あつまれ どうぶつの森」ではユーザー同士がコミュニケーションをとり、アイテムの受け渡しをすることができます。「Minecraft」ではメタバース空間で土地を買ったり、その上に自分の好きな世界を構築したりすることができます。一定の実績を持っているクリエイターであれば、Minecraft Partner Programを通じて自らが作ったコンテンツを販売することもできます。メタバースを活用することでコミュニケーションを活性化し、ゲームの新たな魅力をユーザーに提供することができます。

バーチャルライブ

バーチャルライブの様子
バーチャルライブの様子

メタバースはバーチャルライブにも積極的に使われています。コロナウイルスの影響でライブ施設でのライブが制限されてきた中、アーティストたちはYoutube等を活用し、ライブ活動を行ってきました。しかし、近年では様々なライブ配信サービスが出てきています。

その中ではアバターを使って演奏を行ってライブ配信が出来るようになるほか、ユーザーは360度ライブを見ることが出来るようになる等、臨場感あふれるライブを体験できるようになっています。また、3D広告やデジタルコマース等新たなプロモーション・販売戦略にも活用されるようになってきています。

バーチャルオフィス

バーチャル出社オフィス-oVice

オンライン会議だけでなく、バーチャルオフィスという考え方も近年では出てきています。自社のメタバース空間上にアバターを配置、自分や相手のアバターには「連絡可能」、「取込中」、「外出中」等のステータスが表示されており、スムーズにコミュニケーションを行えるサービスやバーチャルオフィスを活用して話しかけられたときの音量や方向性を制御して、臨場感のあふれるバーチャルオフィスを実現するサービス等、様々なサービスが登場しています。

テレワークが進んだ環境の中、なかなか他の人とコミュニケーションをとるのが難しい状況にあります。その中でいかにスムーズにコミュニケーションをとるか、従業員の距離を縮め生産性の向上に繋がる雰囲気を作り出せるか、企業に求められているところでもありますので、今後もバーチャルオフィスの活用は広がっていくと考えられます。

バーチャルEC事業

メタバースはEC事業でも活躍の幅を広げています。近年、出てきているのはバーチャルで店舗を歩いているような体験ができるサイトです。

ただのECショップとは異なり、店内のレイアウト自体を楽しむことができ、企業イメージの構築にも役立ちます。また、店内の商品をまとめて確認することが出来るため、商品の比較がこれまでのECショップに比べて容易である点もポイントです。商品の外観も360度回転させて確認することも可能な店舗もあり、これまでのECショップより商品をより具体的に伝えることができます。

メタバースの投資事情

ここまでメタバースの活用事例を紹介しました。今後も新たな顧客体験を与え、ユーザーを惹きつけるサービスとしてメタバースは着目されそうです。ではメタバースの投資状況はどうなのか、確認しましょう。

メタバース関連銘柄に期待が集まる

メタバースの関連銘柄の株価は今後しばらくは期待が集まると考えられます。その理由にはメタバースに対して以下のような期待が込められているからと考えられるからです。

場所や時間の制約を無くすことが出来る

仮想空間上にサービスを構築するメタバースではこれまでの店舗型運営やオフィスとは異なり、場所や時間の制限がありません。それでいて既存のECショップやコミュニケーションツールより、魅力的なサービスを作り出すことができ、注目が集まっています。

新たなビジネスを作り出すことが出来る

まずは各企業がメタバースを導入するという1つのビジネスを作り上げています。さらにMinecraftのようにクリエイターがコンテンツを売ることができる等メタバース上で新たなサービスが登場してきています。この新たなビジネスを作り出せる点はメタバースの魅力と言えます。

SDGsと相性がよい

仮想空間上でサービスを展開することになるメタバースはSDGsとも相性がよいです。その点でも注目されています。

Sandを筆頭とする仮想通貨の価格の上昇

メタバースで使われている仮想通貨も値上がりを見せています。その筆頭がSandです。SandはNFTゲームの「The Sandbox」内で流通する仮想通貨です。このThe Sandboxにはスクエア・エニックスやエイベックス等の様々な企業が参入してきています。2021年11月には1通貨あたり7.4ドルの高水準となっていましたが、現在は仮想通貨自体がやや下火であることから、値下がりが続いている状態です。しかし、海外の仮想通貨価格予想サイトでは2027年には1通貨あたり20ドル前後まで上昇すると捉えているところもあり、今後の成長が見込まれます。

メタバース市場規模

出典:Metaverse market revenue worldwide from 2021 to 2030(in billion U.S. dollars)

株価も仮想通貨も一定の期待が込められているメタバースですが、今後の市場規模はどうなのでしょうか。ここでは現在の市場規模と将来的な市場規模の2つに分けて紹介します。

現在の市場規模

日本におけるメタバースの市場規模は矢野経済研究所の報告によると2021年は744億円、2022年は1825億円になる見込みであり、この1年の成長率は145%になる見込みで大幅な上昇となります。

2022年は電通グループがメタバース空間上でのフェス会場VARK ARENAを提供開始する等の様々なサービスの開始やイベントの開催が行われたことで市場規模が大きく上昇したと考えられます。

世界的にみても2021年は388.5億米ドルだったのが、2022年には474.8億米ドルと100億米ドル近く上昇しており、今後もメタバース市場は発展していく様子を呈しています。

将来の市場規模

メタバースの将来の市場規模においてもかなりの期待が込められています。日本では2026年に市場規模が1兆円を超えると想定されており、年間1.7倍のペースで市場が成長していく見込みです。

世界的に見てもかなりの成長を遂げると考えられ、総務省が公表している予測値によると2030年には6788億米ドルになると考えられ、2021年から年1.4倍のペースで市場が成長していくと予想しています。

日本でも世界でも、長期的にメタバース市場は拡大していくと見られており、期待が高まっています。

メタバースの課題

ここではメタバースの発展における課題を3つ紹介していきます。

メタバース内での法律やルールの整備

1つ目がメタバース内でのルール設計です。メタバースが発展することに伴って金銭やサービスのやり取りが国内外で普及してきたり、著作権問題等が発生したりしました。これらの様々な問題に対して国際的な視点での法整備が求められました。

現時点では欧州の法律家のヨーロッパ法律家協会が「デジタル資産の担保利用原則」を2022年に採択したり、アメリカ法律家協会が「支配可能電子記録」を新設するための検討を進めており、ある程度法律はまとまってきていると考えられます。

その一方で、今後メタバースが拡大してくるであろう「現実世界の人の利益に対する侵害」や「現実世界の財産権に対する侵害」等の様々な課題に関してはまだ法整備の課題としてのこっていると考えられます。

VR機器の普及

メタバースの発展にはVR機器の普及もある程度必要となってきます。ユーザーがメタバースにアクセスするのは比較的低価格で実現できますが、それを効果的に利用できるVR機器自体は安くはありません。

例えば、Meta Quest 2 128GBのVR機器は6万円程度とかなり高めな値段となっています。今後、メタバースを利用してユーザーに魅力的なコンテンツを届けるためには、VR機器をどのように普及させるかも課題となります。

メタバース依存や現実世界のコミュニケーション不足

メタバースが普及してくるとメタバースの世界に魅了されてしまう、いわゆる「メタバース依存」となってしまう人が出てくる可能性もあります。

また、メタバースが普及することによって、現実世界でほとんどコミュニケーションをとらなくなってしまう人が出てくる可能性もあります。

今後、このような人たちが出てこないために各企業、政府は対策を求められることになるかもしれません。

まとめ

今回の記事では、メタバースの将来性について解説しました。コンサルティング案件等を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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