メタバースはまだまだ発展途上の産業でありながらさまざまな分野から注目を集めており、観光業界もメタバースの導入が既に実現されました。現実世界では体験できないような内容が体験できるだけでなく、時間や場所などの制限を受けなくなって、さらに自由に観光ができるようになるでしょう。今回はメタバースの活用で観光業界はどう変化するかについてや、活用事例や今後の動向についても解説するので参考にしてください。
目次
メタバースを活用した観光の特徴?
メタバースを活用した観光の持ち味として挙げられるのが、これまでよりも自由に観光ができるようになって、体調を崩している方や海外に行く体力がない高齢者なども気軽に観光が可能です。結果として観光業界にも大きな利益をもたらすと考えられており、地方自治体などでもメタバースを活用した観光に取り組んでいます。
メタバース観光が注目されている理由
メタバース観光が注目されている理由としては国籍や性別・身体的事情など現実世界の事情に関係なく観光ができる点です。現実世界の影響を受けない点といえ、現実世界ではさまざまな社会情勢や個人の問題によって観光ができないケースは珍しくありません。しかし、メタバース観光であれば関係なく観光ができる点が注目されている理由といえるでしょう。
メタバース観光のメリット?
メタバース観光のメリットとしては主に場所や時間を問わず参加できる・低価格で体験可能・現実世界以外にも行ける3点が挙げられます。インターネット空間では現実世界だけでは体験できないことも体験ができ、新しい発見や経験にもなる可能性が高いです。3つのメリットについても解説をしていきます。
時間や場所を問わず参加できる
時間や場所を問わずメタバース観光なら参加ができ、会社から帰って家に居る時間に海外観光も可能です。また、時間や場所を問わずに参加ができるので、遠くに住んでいる家族や友人とも時間を合わせて一緒に観光に行けるのも魅力的といえるでしょう。
低価格で体験可能
現実世界のように直接現地まで行く必要がないため、移動費や宿泊費などが不必要になります。結果としてメタバース観光をしたほうが低価格での体験になり、同じ予算であってもメタバース観光であれば複数の観光地を回れるかもしれません。
ツアーガイドの有無にもよるが、500~1500円程度でメタバース観光は可能になります。
現実世界以外にも行ける
メタバース観光では、準備が整っていれば現実世界以外にも行けるので、将来的には映画やアニメの世界も体験ができるようになるでしょう。他にも過去の時代に戻って歴史的な出来事を見られたりと、メタバース観光の可能性は大きく広がっています。
メタバース観光のデメリットとは?
メタバース観光にはメリットだけでなくデメリットも存在しており、メリットだけを見てメタバース観光を検討するのではなくデメリットについても理解が大切です。デメリットの原因としてはメタバースがまだまだ発展途上の産業である点が関係していて、将来的にはデメリットが解消されるかもしれません。
初期費用がかかる
初期費用がかかってしまってメタバース観光を提供しても、思うように客足が伸びていかなければ最終的に赤字になってしまう可能性もあります。そのため、初期費用がどれくらい必要になるかについて検討をして、最終的には初期費用を回収して事業として成立するかの判断も必要です。
運用をするエンジニア不足
運用をするエンジニア不足も深刻な問題として挙げられ、メタバース空間を設計する技術についてはまだまだ未発達な部分も多いといえるでしょう。また、他の業界でもメタバースについては注目をしているため、全体的にメタバースを運用できるエンジニアが不足しているのが現状です。
メタバース業界は発展していても、メタバース観光を最大限楽しむにはもう少し時間がかかるかもしれません。
メタバースの観光業への活用事例
メタバースの観光業への活用はすでに進められていて、将来的には日本中で観光業にメタバースが取り入れられると考えられています。将来的にメタバースを取り入れようと考えているなら、実際の活用事例についても理解が大切です。
ツアーガイドの案内
メタバースでは仮想空間上にツアーガイドを設置しておけば、時間帯などを気にせずに観光地についてのツアーガイドの案内を受けられます。他にも聞き逃した部分があれば繰り返し聞けるようになったりと、従来のツアーガイドとは違った活用が可能です。また、場合によっては誰かのアバターが案内してくれるツアーガイドもあるなど、さまざまな方法で取り入れられています。
(参考:メタバース空間 inメタバース ビジネス EXPO ONLINE)
メタバースバスツアー
メタバースバスツアーは琴平バスが企画をしたバスツアーであり、四国のVTuberが案内をするオンラインバスツアーです。自宅から参加ができるだけでなく、ツアー中には現地ガイドとのライブ中継をおこなって、動画とリアルタイムの情報を味わえるような演出がされました。
(参考:琴平バス ご当地VTuberと楽しむ 初のオンラインバスツアー メタバース時代のバス旅行”メタバス”を実現)
横浜みなとみらいエリアのメタバースを構築
マインクラフトやその他のメタバースプラットフォームを活用して、横浜みなとみらいエリアのメタバースの構築をしています。さまざまな人が参加できるようなイベントを開催しており、学生や子供の学びだけでなく親子で参加できるイベントなども充実しているのが特徴です。
(参考:学ぶ×横浜未来メタバースプロジェクト)
観光企業のメタバース導入事例
観光企業もメタバース導入をしていて、地元の魅力をアピールする場としても活用がされています。仮想空間である強みを活かしてさまざまなイベントを開催しており、観光企業ごとに構築しているメタバースが違うのも面白い点です。
バーチャル大阪
バーチャル大阪では2025年に開催される大阪・関西万博に向けて世界に大阪の魅力についてアピールをする場として活用されています。それだけでなく、現実世界の大阪ともお互いに影響を与えながら、さらに魅力的な都市へと進化をしていこうと考えており、新エリアやコンテンツの更新にも力を入れているのが特徴的です。
(参考:バーチャル大阪)
バーチャル日本博
バーチャル日本博では国内外からアクセス可能な体験型のバーチャル空間を目指しており、日本の伝統芸能からアニメ・漫画などのサブカルチャーまで幅広い文化を活用しています。日本文化の美しさや日本の建築物の美しさを幅広い人に知ってもらい、日本に対しての理解を深めてもらうのが目標です
(参考:バーチャル日本博)
観光業がメタバースを依頼する際の流れ
観光業がメタバースを依頼する際の流れについても理解しておけば、いざ自分たちがメタバースを構築しようと考えたときにスムーズに依頼ができます。
注意点としては自分たちと制作会社の間でイメージのずれが生まれないように、お互いが納得できるまで話し合いをする点です。
より良いメタバースを構築したいなら、しっかりとお互いが協力をして良いものを作ろうとする意思を共有しなければいけません。
制作会社に見積もり依頼
制作会社に見積もり依頼をして自分たちが考えている予算内で収まってるか、それともオーバーをしてしまうなら仕様を変更するかなどの判断をしてください。
一社だけに見積もり依頼をするのではなく、複数の制作会社に見積もり依頼を出してアフターフォローなども含めて検討をするのが大切です。安くてもアフターフォローに対応しているケースや、完成後のメンテナンス・アップデートは別料金のケースも考えられます。
打ち合わせ
打ち合わせでは具体的な要望やどれくらいの時期までに仕上げて欲しいかなどを決定していき、最終的にはどのようなイメージで仕上げるかについても決めていく段階です。他にもメタバース空間でどのようなことがしたいかも伝えて、お互いのイメージをしっかりと合わせるようにしましょう。
制作
打ち合わせをして具体的な内容を決定できれば、メタバース制作に移っていきますが、最終的にはバグなどが起こらないように確認をしなければいけません。精度が高いメタバースを制作できても、バグが多くて思っているように動かなければ意味がないといえます。制作会社は制作期限までにしっかりと仕上げて、依頼先に対して責任を果たせるように意識をするのが大切です。
納品
メタバースの制作が完了した後には納品をおこない、各種部分や仕様について制作会社から説明をします。最終的な確認ができれば納品をして、メタバース空間として活用を始めるのが大まかな流れです。
運用
メタバースの運用をして顧客に観光のためのツアーなどを公開しますが、公開後にもさまざまなことが原因で定期的なメンテナンスなどが必要になります。そのため、納品をして完了ではなくメタバースの運用も視野に入れて、トラブルが発生した際の対応などについても考えておくのが大切です。
メタバース観光をどのようにビジネスに繋げるか?
メタバース観光をビジネスにつなげるためには、メタバースが一般的にもっと浸透する必要があるでしょう。ただし、メタバースを構築する際には明確にターゲット層について決めておいて、非現実的な世界を提供するのか、現実的な世界を提供するのかなどは決定をしなければいけません。ターゲット層についてリサーチをして、自分たちが構築するメタバースが需要があるかどうかについての判断をしてください。
メタバース観光の今後の動向
メタバース観光は今後さらに注目を集めていくと考えられており、場所や時間を選ばずに気軽に観光に行けるようになるのが魅力といえるでしょう。また、国籍や性別・身体的特徴などを気にせずに自分らしくいられるため、これまでは事情があって観光ができなかった方でも観光ができるようになります。これまでは体験できなかった内容であっても、簡単に体験ができるようになると期待されており、メタバース産業の成長と共に需要も高まっていく可能性が高いです。
まとめ
今回の記事では、観光業界へのメタバースの影響について解説しました。コンサルティング案件などを探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。