エンジニア(キャリア)

「SIer」と「Web系」エンジニアの違いとは?年収やそれぞれに向いている人を解説

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SIer, Web系の仕事内容

 SIer

SIerとは、クライアントの依頼に基づいてシステムの開発を請け負うシステムインテグレーションを提供する事業者のことです。システムを開発するための知識や人員が不足するクライアントに対して、IT技術を使って希望するシステム開発を納品します。SIerの仕事内容は、クライアントの業務要件を整理することから始まります。その後に、設計、開発、運用・保守まで請け負いますが、クライアントが有するIT関連の課題は様々なため、SIerが請け負う領域も多岐にわたります。

 Web系

Web系の企業は、その名の通りWebを活用して自社のサービスを提供する企業を指します。サービス提供の対象となるエンドユーザーのために、自社のシステムを開発するのが仕事の中心です。マッチングアプリ用のシステム開発、新たな広告サービスの立ち上げなどがイメージしやすいでしょう。自社のサービスのため、企画や構想など立ち上げ業務についてもWeb系企業の仕事の範囲です。

SIerとWeb系の違い

SIerとWeb系ではその仕事内容以外にも様々な違いがあります。ここでは、年収、スキル、キャリア、そして職場環境と服装の観点で比較してみましょう。

年収

まずは年収です。以下は、SIerとWeb系の企業の平均年収になります。あくまで大手企業の比較とはなりますが、全般的にはSIerの方が高額であるとわかります。SIerの方が比較的開発規模の大きな案件に携わること、保守・運用業務など定常的な収入源があるため、それらが収入へ反映されるためです。

2021年度のSIerの平均年収

(1)野村総合研究所:1235万円
(2)ISID:993万円
(3)オービック:921万円
(4)伊藤忠テクノソリューションズ:896万円
(5)大塚商会:851万円
(参考:【2021年最新版】SIer平均年収ランキングベスト15

2018年度Web系の平均年収

(1)サイバーエージェント:772万円
(2)GREE:747万円
(3)mixi:691万円
(4)Gunosy:685万円
(5)ヤフー:651万円
(参考:Web業界年収ランキング 上場企業全142社まとめ

スキル

次はスキルについての比較です。SIerとWeb系企業では働くうえで必要となるスキルや適性が若干異なります。以下に代表例を挙げてみますので、それぞれの特徴を確認してみましょう。

SIerで働くうえで必要なスキル・適正

(1)開発の流れや仕組みを理解できる能力
SIerでは、開発を原則ウォーターフォール型で行います。この場合、自身が担当する工程は全体の一部分になる場合が多いため、開発の流れや全体の仕組みをドキュメントから理解することが求められます。システム化要件定義書や基本設計書などを正しく把握する読解力と全体を俯瞰する能力が必要となります。

(2)マネジメント能力
ウォーターフォール開発では、終盤になって足りない機能に気づく場合があります。この場合、終盤になればなるほど手戻りの工数が大きくなります。これを防止するためには、前の工程で決められた仕様やルールに沿って漏れなく引継ぎ、開発することが重要です。また、手戻りが発生してしまった場合には、最小限に抑えるよう工夫することが必要です。つまり、チームメンバーに適切なディレクションを行い、時にはリカバリを図りながらプロジェクトを成功裏に導ける総合的なマネジメント能力がSIerでは求められます。

Web系企業で働くうえで必要なスキル・適正

(1)プログラミングスキル
SIerではプログラミングは若手職員や外注に頼るのに対して、Web系企業では中堅であっても自身がプログラミングを行うことが多くあります。また、Web軽企業の開発では必ずしもウォーターフォール型の開発手法ではないため、トライアンドエラーで完成形に近づけていくケースも多々あります。そのため何度も修正しながら仕様通りに開発できる高いプログラミングスキルがWeb系企業では求められます。

(2)タスク管理能力
Web系企業の場合、1度に複数の開発を兼任する場合があります。そのため、案件によって局面やステータスが異なり混同してしまうこともあり得ます。複数のタスクを同時並行で遂行するには高い管理能力が必要になります。SIerでは1つの案件に専念するケースが多いため、Web系特有のスキルと言えるでしょう。

キャリア

SIerとWeb系企業のキャリアについても特徴や違いを見ていきましょう。

SIerで働く人のキャリア

SIerで働く人のキャリアとしては下流を経験してから上流工程を目指すキャリアが一般的です。SIerの開発では、1つの開発プロジェクトの規模が比較的大きく、それだけ関与するメンバーも多くなることが特徴です。そのため、自分の担当する領域はWeb系企業の場合と比べて狭くなる可能性があります。
まずは下流工程(プログラミング・テストなど)を経験し、中堅になってから上流工程(要件定義・設計・プロジェクト管理など)を目指すキャリアが標準となります。

Web系で働く人のキャリア

Web系企業の場合には、必ずしも上流工程やマネージャーを目指すのではなく、技術を極めるスペシャリストのキャリアも目指すことが可能です。そのため、Web系にはSIerで開発のベースを習得して転職するメンバーも多く在籍しています。SIerの多くの職員がプロジェクトマネージャーを目指すのに対して、Web系では、CTOやテックリーダーを目指す方が大勢います。

職場環境や服装

SIerはWeb系企業と比べて平均年齢が高く、服装も比較的フォーマルで職場の雰囲気も落ち着いている場合が多いです。クライアントとコンタクトする立場にいる場合は服装も注意深くなるのは当然です。一方で、Web系では平均年齢も若く、服装も自由であることを企業のアピールポイントにする会社もあります。また、職場環境もカジュアルな雰囲気です。そのため、特に学生時代から間もない20代にとってはWeb系企業を好むかもしれません。

SIer,Web系の将来性

SIer

SIerの将来性は非常に高いと言われています。
昨今の企業経営において、DX(デジタルトランスフォーメーション)は必須のキーワードです。DXでは文字通り「デジタル技術」。すなわちITをビジネスと融合させることが重要となりますが、実際のシステム開発を担うのはSIerです。日本は欧米と比べてDX後進国と言われており、今後さらにこの分野は拡大していくでしょうし、場合によってはSIerで働く人材の取り合いになる可能性もあるほどの将来性が見込まれています。

Web系

一方で、Web系企業のエンジニアもSIerに負けず劣らずの将来性があります。SNSをはじめ、インターネット上で利用できるサービスは増加し続けています。オンラインでのバンキングやトレーディング、スマホ上でのチケット・座席の予約、動画のサブスクリプション配信など、次から次へと仕組みがWeb化されています。そのため、Web開発を担う人材ニーズ、特に最新のプログラミング技術を有するエンジニアはますます引く手あまたとなるでしょう。

SIerに向いている人・Web系に向いている人

SIerに向いている人の特徴

SIerに向いている人には主に次のような特徴があります。

・経験が浅く開発に自信が持てない
・技術志向よりもマネジメント志向である
・大規模案件に携わりたい

SIerで多く採用されているウォーターフォール型開発の場合、要件定義、設計、開発、テスト、リリースまで全ての工程を網羅的に経験できるため、ITに精通していない方にもおすすめです。さらに、ウォーターフォール開発で必要となる細かい進捗管理能力や正確なドキュメンテーション力も身に着けられます。将来的に大きなプロジェクトをマネジメントしたいと考える方にとっても良い環境と言えるでしょう。

Web系に向いている人の特徴

次にWeb系に向いている人の特徴です。

・一定の開発経験がある
・最新の技術で複数の案件に携わりたい
・自社が提供するサービスの開発がしたい

Web系では、最新の人気言語(RubyやLaravelなど)を活用して開発する場合もあり、自身の技術力を高める環境が存在します。また、アジャイル型でスピード感のある開発も採用されており、エンジニア志向の方にはフィットする傾向が高いと言えます。マネジメントよりも、技術に軸足を置いたキャリアを築きたい方に向いています。

SIerとWeb系の転職

 SIerからWeb系への転職とその事例

SIerからWeb系に転職することで職場の文化や風土、さらに服装などが良い意味でカジュアルになります。また仕事の進め方もスピード感が増す場合が多いです。最新の技術をキャッチアップする習慣も必要となるでしょう。

◆具体的な転職事例
【年齢】:29歳
【前職】:Rubyを使ったサーバーサイド開発業務に従事
【転職理由】:技術の追求、かつ、ユーザーとの距離が近いWeb系企業を志望。
(参考:20代 Web系エンジニアの転職事例

 Web系からSIerへの転職とその事例

Web系からSIerに転職する際に最も考慮するべきことは、求められるスキルが多岐に渡ることです。営業スキル、コミュニケーションスキル、調整・交渉スキル、コンサルティングスキル、プロジェクトマネジメントスキル、品質管理スキルなど、クライアント先のシステムを開発する分だけ要求度も高くなります。

◆具体的な転職事例
【年齢】:30歳
【前職】:Web制作会社のフロントエンドエンジニア
【転職理由】:プロマネとアートディレクターを兼務できるスキル習得のため
(参考:Web系を辞めてSIerに転職

フリーランスという選択肢もある

SIerやWeb系企業のキャリアでは、フリーランスも選択肢の1つです。SIerでの高いマネジメントスキルやWeb系企業での高度なプログラミングスキルが身に着けられていれば、独立して業務を受託することも可能です。

比較的自由な働き方と高い処遇を期待することができます。もちろん、仕事が思うように確保できないリスクは存在しますが、成功した時には大きなリターンが存在します。特に最近ではAIやIoTなどの案件で開発を担えるプログラマーはニーズが高いため、Web系企業で働いている方は検討してみるのも良いでしょう。

まとめ

この記事では「SIer」「Web系」エンジニアの違いについてご紹介しました。コンサルティング案件、DX案件を探している方や事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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