近年、Bitcoinなどの仮想通貨でブロックチェーン技術が盛んになっています。Bitcoinなどの仮想通貨だけではなく、ゲーム環境の作成やNFTアート作品を販売するなど、多くの点でブロックチェーン技術は求められるようになっています。
ここではそのブロックチェーン技術に精通したブロックチェーンエンジニアについて年収や必要なスキル、将来性などを紹介します。
目次
ブロックチェーンとは
まずブロックチェーン技術ですが、ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録などを暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種です。例えば、データベースに該当する端末が10,000個あった場合には10,000個に分割してデータが登録されることになります。したがって、データを改ざんする場合には、この10,000個のデータベースの過半数を変更しなければならないなど、現実的に改ざんが不可能な高度なセキュリティを持った技術になります。
ブロックチェーンエンジニアとは?
ブロックチェーンエンジニアとは一体どのような仕事を行い、年収はどれくらいなのでしょうか。ここではブロックチェーンエンジニアについて解説します。
仕事内容
ブロックチェーンエンジニアの仕事内容は必ずしもブロックチェーンを開発するといった仕事だけではありません。ブロックチェーンを活用したシステムの開発も仕事の1つです。ここでは代表的な仕事を3つ紹介します。
ブロックチェーン開発
ブロックチェーンは仮想通貨やメタバース空間などの公共のプラットフォームとして活用するだけではなく、会社内部のみでも活用できます。新たなブロックチェーンを開発して、企業の事業拡大を支援する場合があります。その場合にはお客様の要望の理解や、ブロックチェーンの根幹技術の理解など幅広い知識が要求されます。
外部連携の開発
ブロックチェーンと連動している外部システムの開発を行う場合もあります。例えば、ペイメント機能が良い例です。ペイメント機能はメタバース空間などで売買を行うときに金銭の授受で必要な機能です。これらの機能ではブロックチェーンにトランザクションを追加する必要があり、ブロックチェーンに対する深い理解が必要になります。
アプリケーションの開発
現在ではブロックチェーンを活用した様々なアプリケーションが出ています。例えば、メタバース空間の作成や、NFTアートの売買プラットフォームなど様々なアプリケーションが存在します。今後も様々な業界でブロックチェーンを活用したアプリケーションが出てくると考えられ、アプリケーション開発ができるブロックチェーンエンジニアは欠かせない存在です。
年収
ブロックチェーンエンジニアの年収はどれくらいなのでしょうか。ブロックチェーンエンジニアの年収は約500万から管理職ともなると1200万円ぐらいになると言われています。平均年収も930万円と非常に高収入であることが分かります。一般の平均給与は461万円と言われており、約2倍もの水準を誇ります。それには多くの需要が見込まれている反面、現在ではブロックチェーン技術を深く理解している技術者が少ないことがあげられます。また、今後もブロックチェーン技術の活用は活発化していくと予想されるため、平均年収は安定して高い水準を保つことになると予想されます。
必要なスキル
ここではブロックチェーンエンジニアとして必要なスキルをご紹介します。コミュニケーションスキルや論理的思考力などの基本的なビジネススキルを除いて大きく2つに分けて紹介します。
ブロックチェーンの技術
1つ目がブロックチェーン技術に関する理解です。ブロックチェーンに直接触れるわけではないアプリケーション開発者であってもブロックチェーン技術の理解は必要不可欠です。ブロックチェーン技術のメリットやデメリット、何ができて、何ができないのかを把握しておくことで、アプリケーション開発者であってもクライアントに効率的な提案ができるようになります。ブロックチェーン技術の根幹を管理するブロックチェーン開発者であれば、なおさらです。ブロックチェーンを深く理解することで、より効果的なシステム開発が行えるほか、セキュリティ対策などの重要なポイントについても適切に把握しながら開発を進めることができます。
開発言語に関する知識
次に必要な知識が開発言語に関する知識です。ブロックチェーンでは様々な言語が使われます。他のシステム開発と同様にブロックチェーンエンジニアにはこれらの言語の理解が必要です。ブロックチェーンエンジニアの中でも、アプリケーション開発のメンバー、ブロックチェーン本体の開発、外部連携の開発などで必要な開発言語は異なります。どのような分野のブロックチェーンスペシャリストになりたいかによって学ぶ言語を検討しましょう。
最近では書籍だけでなく、オンラインのプログラミングスクールも盛んになっているため、プログラミングスクールを活用して勉強をするのも選択肢の一つです。
使用される言語
ここではブロックチェーンの開発やブロックチェーンアプリケーションを使用するのに必要な言語を紹介します。
Go
Goは「Google」によって開発されたプログラミング言語の1つです。Goではシンプルな構文や文法により動作が非常に軽量で使いやすいのが特徴です。Go言語は2009年にGoogleがリリースした比較的新しい言語であり、使い勝手の良さから近年、採用している企業や学んでいるプログラマーも増えてきています。当初はMas OSやLinux OSが主体でしたが、2013年にはWindowsにも対応するようになったことでさらに活用の場が広がっています。
このGo言語はもともとプログラマーの生産性向上を目的としたプログラム言語であり、表現力豊かにコードを簡潔に記述することが可能です。軽量な並列処理が可能なのでマルチコアやネットワークで使われる複雑な処理をプログラミングするのに向いている言語と言えます。
C
C言語はGoとは反対に歴史のある言語の1つです。1972年にアメリカのデニス・M・リッチー氏とブライアン・W・カーニハン氏によって開発されました。C言語の特徴は様々なことが処理できる汎用性の高さと実行速度です。C言語ではそれ以外の多くのプログラミング言語では自動で処理してくれる、例えばガベージコレクションのような処理も記載をしなければなりません。その分、他の言語にはない高速性を実現してくれます。また、OS開発やAIの開発にも利用される言語のため、汎用性が高く、様々なシステムで利用されています。
その一方で、前述したとおり、C言語では他のプログラミング言語が自動で実施してくれる処理を記述しなければなりません。その中にはハードウェアを制御する要素も必要であり、コンピューターを構成するメモリーやCPUといった部分の知識が必須となるため、一般的に習熟難易度が高い言語と言われています。
Solidity
SolidityはJavascriptと似た言語体系をしており、Javascriptを理解していれば、簡単に学ぶことができる言語になります。
このSolidityですが、イーサリアム上で動作するスマートコントラクトを実装する為の開発言語です。イーサリアムとは契約の自動実行などを実現させるプラットフォームの名称で、インターネット上で送金や決済ができる暗号資産としても利用されています。スマートコントラクトというユーザーが決められた挙動をしたときにあらかじめ予約しておいたプログラムを自動実行するような仕組みがあり、安心して契約を行えるサービスを提供しています。
JavaScript
JavaScriptとはブラウザ上で動きを加えることができる唯一のプログラミング言語です。そのため、ブロックチェーンでも多くの場面で利用されています。代表的なのはメタバース空間でのNFTゲームなどです。これらの動きを再現するためにはJavaScriptが必要不可欠です。そのため、ブロックチェーンエンジニアにとっては必須の言語と言えます。
ブロックチェーンエンジニアの需要と将来性
ここではブロックチェーンエンジニアの需要や将来性について解説します。
ブロックチェーンエンジニアの需要
求人ボックスによるとブロックチェーンエンジニアの東京都の求人件数は3400件程度とかなり多くなっていることが分かります。その背景としては近年、メタバースやNFTなど新たなブロックチェーンの用途が増加している傾向にあります。特にメタバースに関しては2022年11月に電通グループ、メタバース空間上でのフェス会場「VARK ARENA」を提供開始するなど、新しいビジネスが続々と誕生してきています。その結果、ブロックチェーンエンジニアの需要に対して供給が不足しているという状況が続いております。
ブロックチェーンエンジニアの将来性

今後のブロックチェーンエンジニアの将来性ですが、しばらくは引く手あまたの環境になると予想されます。その理由には大きく2つあります。
1つ目はブロックチェーンエンジニアになるための難易度が高いことです。ブロックチェーンエンジニアになるためにはブロックチェーンの基礎知識は前提として、プログラム言語を習得するなど、多くの勉強を行わなければなりません。そのため、エンジニアになるハードルが高く、需要過多になる傾向があげられます。
2つ目は市場規模の拡大です。メタバースの市場規模は2021年には475億ドルだったものが2030年には6788億ドルになると予想されています。それにブロックチェーンエンジニアの需要は高まります。
ブロックチェーンエンジニアになるには
現在ではブロックチェーンエンジニアになれるようなプログラミングスクールはなく、ハードルが高いのが現状です。自分で学習するのであれば以下のように学習を進めてみると良いです。
ブロックチェーンエンジニアの共通言語を理解する
まずはブロックチェーンエンジニアの共通語を理解しましょう。「Mastering Bitcoin」などがお勧めです。
必要なプログラミング言語を学習する
上記にあげたGoやC言語などを学習しましょう。場合によってはスクールを利用しても良いです。
ノードの開発を行う
稼働しているブロックチェーンのノードを構築してみましょう。

まとめ
今回の記事ではブロックチェーンエンジニアについてご紹介しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。