目次
RPAの概要と導入するメリット
RPAとは?
正式名称は「Robotic Process Automation(RPA)」と言い、主に特定の画面操作を自動化することを可能にする生産性ツールです。
ロボット機能を利用して、業務プロセス・ITプロセス全体で特定の操作を繰り返し実行することで、データの操作・様々なアプリケーション間でのデータの受け渡しを行うことができます。
具体的には「定型的な業務」「データ作成・収集・分析業務」「大量データ入力・受け渡し」「複数アプリケーション間のデータ受け渡し」といった業務領域が、RPAが得意とする業務領域となります。
RPAの導入効果
RPAを導入することにより業界・業種を問わず「業務量の削減」「業務効率の向上」「作業品質の向上」という効果が期待されます。
この効果が得られることにより、総合的な業務効率化やRPA導入により削減できた業務を担当していた社員をより付加価値の高い業務へシフトさせることが可能となります。
RPA導入にかかる費用
RPAツールを利用する際には、イニシャルコスト(導入時費用)とランニングコスト(継続利用費用)の2種類が必要となります。また製品によっては回数やサービスレベルに応じて追加のサポート費用も必要となる場合があります。
この費用は利用するRPAツールの種類、大きくは「サーバー型(オンプレミス型)」「クラウド型」「デスクトップ型」のどれに分類されるかによって大きく変わってきます。
イニシャルコスト
初期設定やRPAツールをインストールする等の対応のための費用になります。一般的には、デスクトップ型<クラウド型<サーバー型(オンプレミス型)というふうに金額が上がる傾向があります。
デスクトップ型は社員が利用するPCにインストールして利用するタイプであり、クラウド型は主にWebブラウザ経由で利用するタイプであるため、導入費用はそれほどかかりません。
一方でサーバー型(オンプレミス型)は自社内にRPA実行環境を構築する必要があるため、前者2つのタイプよりは費用が肥大化する傾向になります。
ランニングコスト
導入後にもライセンス料などのために費用が必要となる場合があります。導入時に買い切りの場合は月々の費用はかからないこともありますが、ライセンス形態によっては月単位・年単位でのライセンス料が求められるため、この点は導入検討時に必ず押さえておくべきです。
サポート費用
サポート費用を支払うことで導入時にRPAベンダーによるサポートを受けることができたり、各種トレーニングを受講することができます。自社内にRPA技術者がいない場合やRPA導入難易度が高そうだ、という場合にはサポート費用を負担することで総合的に高い費用対効果を得られる場合があります。
RPA導入および選定時に押さえておくべきポイント
RPA導入に当たっては必ず費用対効果の見極めが必要となるため、ここではどのような効果を把握しておくべきか、RPA利用においてかかる費用にはどのようなものがあるかを説明していきます。
RPAの自社開発必要有無を確認
RPAツールを導入するには、外部からの導入と自社開発という2つの選択肢があります。
外部からRPAを導入することに固執するのではなく、導入検証時に自社の業務・ワークフローに適合しづらいことが分かったのであれば自社に合うRPAツールを開発する選択肢を入れることが重要です。
一般的にはRPAツールを自社開発する方が費用が肥大化する傾向があるものの、そもそもRPAを適用可能な業務領域が少ない場合や高度で複雑な操作を行う必要がある場合などは自社開発も適しています。
また、自社内にRPA技術者がいる場合には業務分析・要件定義・シナリオ設計から携わってもらうことで総合的に満足度の高いRPAツールを開発することも可能です。
自社へ導入する際の費用対効果の把握
自社でRPAツールを開発する、もしくは既存RPAツールを導入する場合のどちらでも、自社でRPAツールを利用する場合は費用対効果を精緻にすることが非常に重要です。そのために、RPA化する余地のある業務領域を見極めることが必要となります。
「大規模なシステム投資を行っても費用対効果が少ない領域」「社員が個別で対応している部署・部門の固有業務」についてはRPA化する余地のある領域であると言え、具体的なRPA対象業務・ポイントを深掘りする必要があると言えます。
効果を深掘りする際には、具体的に「A業務をRPAツールを用いて自動化できたため、既存社員の工数を〇〇時間削減可能」「導入コストが△△円のため、月当たり□□円のコスト削減効果が得られる」といった点まで試算する必要があります。
想定効果
大きく定性的な効果と定量的な効果の2種類を把握しておく必要があります。
定量的な効果は社員が業務にかける時間の削減、という分かりやすい例が挙げられますが、定性的な効果の例としては「業務標準化」「業務の正確性向上」などが挙げられます。
RPAツールを利用することにより、業務から属人性を排除することができたりヒューマンエラーを無くすことができます。
補助金
これまではRPAの導入に当たり必要な費用について述べてきましたが、RPA導入時には国からの補助金を利用できる場合があります。企業の生産性向上を後押しするという目的で複数の補助金制度が制定されています。特定規模以下の企業に限る等の制限事項はありますが、自社の導入に適しているかどうかは各補助金制度に関する公募要領を確認しつつ、補助金制度の利用を検討することは重要です。
補助金制度は「IT導入補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「小規模事業者持続化補助金」などが挙げられます。
例えばIT導入補助金制度は複数の対象区分に分けられ、導入するソフトウェア(RPA)がカバーする対象となる業務プロセス数や導入目的に応じて申請・利用可能な補助金が分類されています。上記で述べた自社へ導入する際の費用対効果を十分に精査しておくことは、この補助金制度を利用するにおいても必要なアクションとなります。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金についても同様で、導入目的・効果に応じて申請・利用可能な補助金のタイプが分類されています。
小規模事業者持続化補助金は、特定規模以下の企業のみが利用可能な補助金制度になります。
具体的には従業員数が5名以下(一部業種は20名以下)の小規模事業者が受けられる補助金となるため、利用可能な企業は限られますが検討の余地はあります。
(ご参考)よく導入されているRPAツール
ここでは代表的なRPAツールについて説明していきます。
UiPath
2021年時点でグローバル市場でのシェアがNo1である製品がUiPathになります。
一般的なRPAツールが持っている機能は一通り有していますが、非定型業務の自動化にも親和性がある点が特徴的です。RPAが得意とする業務領域が定型業務であることは先にも述べましたが、UiPathの機能の中にはAI関連の機能があり、プログラミング不要で利用できるものも多いです。
Blue Prism
Blue Prismの特徴としてはライセンス費用の計算単位が他のRPAツールと異なるという点が挙げられます。
一般的には開発用・本番実行用でもライセンス費用が発生するのが多いのに対し、Blue Prismの場合は本番実行用のライセンス数のみ課金対象となります。
Microsoft Power Automate
これまで述べてきたRPAツールとは少し毛色が違う製品としてMicrosoft Power Automateが挙げられます。
一般的にはユーザー単位や業務プロセスフロー単位で課金されることが多いですが、Microsoft Power Automateの一部であるPower Automate for desktopはOSであるWindowsのライセンス料に含まれる等、既にWindowsやMicrosoft 365等を利用している企業であれば、利用範囲を限定するのであれば大きな費用負担なく利用することが可能な点が特徴です。
もちろん利用プランによってはライセンス料が必要となる場合もあります。
まとめ
今回の記事ではRPA導入費用について投資対効果を得るための選定方法を解説しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。