目次
RPAのメリット、デメリット
改めて、RPAのメリット、デメリット、活用事例を確認します。
RPAのメリット
業務を効率化できるため、作業時間が短縮されることが大きなメリットです。定型的な業務に充てていた時間を、クリエイティブな業務に向けることも可能になります。コストカットや、業務の正確性の向上といったメリットもあります。
RPAのデメリット
RPA導入後に業務フローが変わることにより、それに対応できない社員が離職するリスクがあることです。また、RPAツール自体の値段が安価ではないこともデメリットとして挙げられます。
RPAの導入事例
三菱UFJフィナンシャルグループ
RPAを約20業務で導入した結果、合計2万時間分の業務自動化に成功しました。コンプライアンス部門では業務の正確性も重要ですが、人間に任せるよりもRPAでAIに任せたほうが正確にできる点もメリットであるようです。
(参考:三菱東京UFJ銀行が可能性を拡げる、金融機関でのRPA導入による業務効率化)
サッポロビール
従来はPOSデータのダウンロード業務に多大な時間をかけていました。合計で160回もの個別のダウンロード作業が必要だったためです。RPAを導入することで、ダウンロード業務の自動化に成功し、年間約5,700時間の業務時間を削減できました。
(参考:【業界・職種別】RPAの成功事例10選|大手銀行から製造業まで)
ERPとRPAを組み合わせる・連携するメリット
昨今、多くの事業会社がERPとRPAを組み合わせて導入しています。ERPとRPAを組み合わせて導入することのメリットをご紹介します。
よりハイレベルな業務効率化
ERPはそもそも、個別の業務の業務効率化ができるソフトです。ERPである程度まで業務効率化が図れるとはいっても、ERPにデータ入力したりするアナログ業務はまだ残っています。
しかし例えばそれらのデータ入力を自動化できれば、より業務が効率化されます。RPAを利用すれば、そうしたデータ入力を自動化することもできるので、ERPを単独で使うよりもさらに業務の効率化が期待できます。
ERPを導入する際の業務を効率化
ERPをまだ導入していない企業は、ERPを導入するにあたり、業務フローを整理したり、ERP業務に適した形に業務を再編しなければなりません。定型的な作業も多く、業務効率化のために逆に時間が取られてしまうことも少なくありません。
しかし、RPAを導入すれば、ERP導入のために業務を整理する作業自体を効率化できます。ERP導入の際にセットでRPA導入を考えると、導入業務自体も効率化できるというメリットがあります。
業務のより正確な実施
人の手で作業をしている場合は、どうしてもヒューマンエラーが起こってしまいます。どれだけ注意して業務を行っていたとしても、手作業である以上、正確さの面で不安が残るのは仕方ありません。
しかし、ERPとRPAを組み合わせれば、多くの業務を自動化できるため、人手によるヒューマンエラーの可能性を減らすことができます。RPAは入力業務などを、ERPは人事や会計、物流などの機能ごとの業務を自動化できるため、業務全体の正確さが増します。
組織全体の業務効率化
ERPは従来、会計や人事、物流など、機能ごとにシステムが分かれているものでした。そのため、それぞれのシステムにあわせて個別に業務フローを設計しなければならず、所々非効率なビジネスプロセスにならざるを得ないこともありました。
しかし、RPAを導入すればこの欠点も解消できます。RPAは複数の業務にまたがる業務プロセスを一連の業務として自動化できるので、組織全体の業務プロセスを効率化可能です。
システム管理の簡素化
RPAの本質はAIなので、導入するとプログラムが自動生成されるようになります。すべてのプログラムが正確なものであればいいのですが、時折、システムに悪影響を与えるようなプログラムが生成されることもあるようです。そのため、RPAがそのようなプログラムを生成したら対応できるよう、システム管理体制を敷く必要があります。
しかし、ERPとRPAを組み合わせて利用する場合、ERPのプラットフォーム上で自動化プログラムが生成されるので、悪影響を与えるようなプログラムは生成されにくいです。
ERPとRPAを組み合わせた使い方
ERPとRPAを組み合わせた使い方をいくつかご紹介します。
ExcelからERPに情報を連携
いまだに多くの企業が、顧客情報や販売情報などをExcelで管理しています。しかし、ExcelからERPにデータを手入力で移行しようと思うと、かなりの手間がかかってしまいます。Excelからのデータ移行は単純作業で付加価値も低く、企業としてはできれば避けたい業務に入るでしょう。
そこでRPAを導入すれば、ExcelからERPシステムへのデータ移行は完全に自動化できます。そうすることで、多くの作業時間を削減できます。
ERPでカバーできないところをRPAで対応
人事や会計など、ERPは業務機能ごとにそれぞれ分かれたパッケージがあります。ERPソフト側に業務を合わせることで、ERP導入が可能になります。それぞれのERPパッケージに合うように業務フローを変更したとしても、どうしてもそれぞれの企業特有の業務フローは残ります。
そのようなERPではカバーしきれない領域にRPAを導入することで、さらなる業務効率化が可能になります。あえてERPにせず、RPAに任せたほうが効率的な部分も個々の企業の事情にあわせて出てくるかもしれません。
メールの情報をERPに連携
メールの情報をERPに連携することも、ERPとRPA連携の使い方としては定番です。受領したメールに記載されている販売情報などの各種情報を吸い上げてERPにデータを自動入力することで、多くの時間やコストを削減できることでしょう。
ERPとRPAを組み合わせた企業事例
ERPとRPAを組み合わせて利用した個別の企業事例をご紹介します。
日商エレクトロニクスの事例
日商エレクトロニクスでは、経営企画部、人事総務部、財務経理部の3部署にRPAとERPを連携して導入しました。業務効率化の結果、ROIは590%、年間770万円のコスト削減を実現させました。
(参考:RPAと事例紹介)
住宅販売会社の事例
とある住宅販売会社では、従業員が勤怠管理の情報を規則通りに入力しているかどうかを人の目ですべて確かめていました。そこでRPAを導入して通常のパターンとは違うタイプの勤怠管理入力だけ検出し、それらだけをチェックするようにしたところ、従来の業務時間の半分の時間でチェック業務を完結できるようになりました。
(参考)ERPとの組み合わせで使われるRPAツール
ERPと組み合わせて使われるRPAツールをご紹介します。
WinActor
WinActorはNTT研究所から生まれた純国産RPAツールです。WinActorのGUIはとても操作しやすいもので、ユーザー部門でも簡単に利用できます。Windowsで操作可能なアプリケーションには基本的に対応しているので、ほとんどの業務で使うアプリに適用できるでしょう。
NTTグループが作ったものなので、操作方法がわからない場合でもNTTデータなど関連企業のサポートを期待できます。30日間のフリートライアル期間もついています。
(参考:WinActor/WinDirector)
BizRobo!
BizRobo!はRPAテクノロジーズが提供するRPAソフトです。コスト面が気になる中小企業などの場合でも、比較的低コストで導入することができます。1ライセンスで無制限にインストールができるので、ライセンスコストが増える心配もありません。
最初は低コストでスモールスタートできますが、ライセンスは1つで固定なので、大規模になればなるほどお得になります。専任のサポートチームに相談もできて安心です。
(参考:BizRobo!)
Robotic Crowd
Robotic Crowdはチュートリアルが提供するRPAソフトです。ノーコードで操作しやすいGUIなため、誰でも簡単に利用できます。社内ERPや外部APIとの連携も容易です。
機能面でわからないことがあっても、即レスできるチャットサポート体制があるので安心です。広告レポートやECサイト業務、バックオフィス業務など、守備範囲の広さも魅力です。
(参考:Robotic Crowd)
まとめ
今回の記事では、ERPとRPAの連携手法を中心に解説しました。コンサルティング案件などを探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。