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【ERPとは】導入の目的と必要性、基幹システムとの違いや導入時の流れを解説

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ERPの概要と導入目的

ERPとは
ERPとは「Enterprise Resources Planning」の略で、「企業資源計画」と訳されることが多いです。「資源」とは主に、人、モノ、金を指します。ERPとはそれらを効果的に使用するための考え方や仕組みで、特にそれを実現するためのシステムそのものを指すことが多いです。

ERPを活用することによって、経営層が自社商品・サービスの受注状況をリアルタイムに把握し経営判断を下すこと、従業員の業務を自動化することなど、企業が持つリソースを有効利用することができるようになります。

ERPの種類
ERPシステムに求められる仕組み・機能は非常に多岐にわたるため、多くの企業がその開発を行っています。

その中でも特に需要が高い製品が、「Oracle ERP Cloud」、「Microsoft Dynamics 365 ERP」、「SAP」などです。Oracle ERP Cloudは古くからあるクラウドベースのERPで、ヘルスケア、教育、リテール、会計などの領域をカバーする製品になっています。

Microsoft Dynamics 365 ERPはマイクロソフト社が提供するシステムで、主に中規模の会社向けの製品になっています。SAPはドイツのSAP社が提供するERPです。SAP社はERPのパイオニアと言われており、会計管理、販売管理、購買管理、在庫管理、生産管理、人事給与管理など多くの業務領域をカバーしており、世界中で利用されています。

ERP導入の目的と必要性
「各部署の業務を効率化したい」、「情報を一元管理し、企業の持つリソースを最大限に活用したい」、「企業活動をリアルタイムで把握し、最適なタイミングで経営施策を実施したい」などのニーズがある企業がERP導入を進めています。

ERPは規模が大きい企業であればあるほど、その必要性が高くなる傾向にあります。各拠点で業務をフォローするシステムを導入することは可能ですが、異なるシステムを導入すると他拠点のスタッフと連動して業務を行うことが難しくなります。システムで管理する情報の粒度が異なり、結果、スムーズに連携して仕事を行うことができなくなります。ERPを導入すれば各拠点で同じシステムを使うため、情報が一元管理され連携しての業務が容易になります。

ERPと基幹システムとの違い

企業ではERPシステムとは別に、基幹システムも導入されています。この2つのシステムは利用目的が異なります。

基幹システムとは、主に特定の業務の効率化を目的としたシステムで、特にバックオフィスで使用するものや、単体の業務を支援するシステムを指すことが多いです。例えば、他のシステムとは連携していない従業員の個人情報を管理するシステムがあれば、それは基幹システムであり、ERPとは言えません。

それに対し、ERPとは企業がリアルタイムで適切な経営判断を行えるようになることを目的としたシステムを指します。ERPは単体のシステムを指すものではなく、企業の基本的な業務領域と、それぞれの企業特有の業務領域の両方をカバーし、それぞれの業務をシームレスに連携させることで企業活動を最適化させます。結果、必要な情報が一元管理され、経営層や管理職向けに会社の状況を見える化し、タイムリーに最適な経営判断を行うことができるようになります。

ERPのメリットデメリット

メリット
ERPの最大の特徴は、「企業に必要な情報を一元管理できること」であり、企業はその仕組みから多くのメリットを得ることができます。

ERPで管理するデータを統合・活用することで、他部門と連動して業務を行うことが可能になるため、日々の各業務の一部または全てを自動化することができるようになります。

例えば、財務部が決算業務を迅速に行うこと、営業部が顧客の注文を管理し適切なタイミングで適切な商品やサービスをクライアントに届けること、調達部門が在庫状況を把握し適切なタイミングでものを調達すること、など様々な部門の業務の効率化が可能になります。

そして経営層は各部門の状況をリアルタイムで把握できるようになり最適な経営判断を下せるようになることが、ERP導入の最大のメリットと言えます。

デメリット
ERPにはいくつかデメリットも存在します。一言でいえば、「導入・運用のハードルが高い」ということになります。もちろん製品によって異なりますが、基本的には大規模なシステムになるため、導入に非常にコストがかかります。

また、使用するためには企業側がその機能や仕組みの詳細を理解する必要がありますが、多くの業務をカバーする製品であり非常に複雑で、容易なことではありません。また、ERPの実装や導入にはシステムエンジニアやERP導入コンサルタントなど専門家が必要になります。

これらのデメリットを解消するためには、ERPとそのベンダーを選定する時点で、いかに自社ビジネスのニーズを明確にできるかがカギとなります。自社の課題とゴールを明確にし、それを満たす上で最適なERPソリューションを選択することができれば、コストを抑えることもできますし、システムの複雑化も防止することが可能です。

ERPの2つの種類

ERPにはクラウド型のものとオンプレミス型のものがあります(クラウド型とオンプレミス型の双方を採用している企業もあります)。

クラウド型
インターネットを利用し、サービスとしてERPシステムを利用するものです。そのサービスを提供する会社にシステムのアップデートやセキュリティ対策などを任せることができます。

オンプレミス型と比べると、ハードウェアの購入や管理、運用保守を行うことができる人材の確保、などを必要が無くなるため、コストを抑えることができます。また、企業の規模に合わせてそのシステム規模も容易に変えることができます。

オンプレミス型
こちらはやや古い手法と言えます。企業が独自でハードウェアの管理からソフトウェアのインストールやメンテナンスまでを行う必要があるため、最近では多くの企業がオンプレミス型からクラウド型のERPへ移行を選択しており、現在は、クラウド型のものが主流になっています。

クラウド型を採用する企業が多いのは事実ですが、特殊なニーズを持つ企業であればオンプレミス型を採用します。オンプレミス型は自社でハードウェアもソフトウェアも管理するため、より企業に合わせたERPを導入することが可能になります。

例えば、業務上セキュリティを特に高めたいというニーズがあった場合、クラウド型であればそのクラウドサービスが提供できる範囲での施策を講じるしかありませんが、オンプレミス型であれば自社で管理するため一般のクラウドサービスが提供できない独自のセキュリティ対策を導入することも可能になります。

ERP導入時の流れ

ERPを導入するためのプロセスは企業の方針(ゼロから開発するか、既に販売されているシステム・サービスを導入するかなど)や導入する製品によって異なります。ただ、基本的な流れとしては、下記の流れが一般的です。

  1. 調査分析(現在の自社の業務、システムの分析と、今後導入するERPへの要件の明確化)
  2. ベンダの選定(複数ベンダに要件を伝え、提案を受ける。採用したベンダと契約を締結する)
  3. 要件定義
  4. 設計
  5. 実装
  6. テスト
  7. 本番環境の準備、ユーザー向けのシステム利用のトレーニング
  8. 運用保守

上記の「要件定義」以降のプロセスはウォーターフォールモデルで行う一般的なシステム開発と大体同じですが、その前に「調査分析」と「ベンダの選定」というプロセスが発生します。そして、プロジェクトを成功させるためには、この調査分析のプロセスで、「ERP導入の目的」を明確にすることが特に重要です。

まとめ

今回の記事ではERPについ導入の目的と必要性、基幹システムとの違いや導入時の流れを解説しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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