経済産業省がDXを重視していることから、近年多くの企業がDXを導入し始めています。電通デジタル株式会社の2020年のDX調査によると、「74%の企業がDXを立ち上げた」といいます。
日本企業がDXを推進している目的について解説します。
目的(1):生産性と運用効率向上のため
DXは企業の生産性向上に役立つと言われています。たとえば、RPA(Robot Process Automation)と呼ばれるツールを使用すると、手動で実行されるオフィスタスクを自動化することができます。さらに、MA(Marketing Automation)は、顧客に電子メールを送信し、顧客に優先順位を付けることにより、効率的なマーケティングを実現することが可能です。
DX推進が求められる背景には、日本の人材不足が大きく関わっています。経済産業省は、2030年までに約58万人のIT人材が不足すると予測しており、人材不足が深刻化する中、限られた人材の配分をいかに最適化するかが鍵となっています。デジタルトランスフォーメーションによって、企業の生産性向上が求められているのです。
目的(2):新規ビジネスの誕生をリードするため
ビッグデータの活用やオンラインマーケティングの強化など、新しいビジネスモデルを生み出すためにもDXは活用されています。たとえば、自動販売機にAIカメラを設置し、ビッグデータから抽出したおすすめドリンクを、購入者の外見などの特性に合わせてパネルに表示し、購入意欲を高めるというものです。
パーソナライズとは、顧客の属性を事前に分析し、興味、関心に基づいてサービスを最適化するマーケティング手法です。パーソナライズの目的は、ユーザー体験をより優れたものにすることです。ユーザーの興味、関心、好みに関する情報を収集することにより、製品やサービスのユーザーエクスペリエンスを最大化することができます。
目的(3):リスク管理の強化を図るため
DXの推進、レガシーシステムの運用見直し、システム刷新、社内開発可能なシステムの確立、自営業システムの活用などにより、リスク管理の強化につながります。
「2025年の崖」と言われているように、既存のレガシーシステムは大幅に劣化しています。部門ごとにシステムが確立されているため、組織が連携できず、業務を遂行するために複数のシステムが必要になり、管理が複雑にるというケースも少なくありません。
セキュリティの脆弱性により、ネットワーク攻撃などの脅威によるデータ漏えいのリスクも考えられるでしょう。DX推進は、古いレガシーシステムを刷新し、懸念されるリスクを最小限に抑える上でも重要です。
DXによるビジネスモデル変革の例
DXはビジネスモデルを変えることに大きな意義があります。以下は、DXの変革によってもたらされた新しいビジネスモデルの例です。
JapanTaxi(日本交通)は、車内タブレットを活用した動画広告配信を行いました。乗車時間に付加価値を加え、新たなビジネスモデルを作り出したのです。乗客の乗車開始時間によって、広告枠をプライシングする仕組みを採用しており、既存の広告収益モデルとは異なる体制を構築しました。
Japan Taxi単体でDXを行っているわけではなく、フリークアウト社を巻き込んで、多様なプレイヤーと新しい価値を共創しているところにイノベーションがあります。
(参考:DX事例 JapanTaxi(現MoT)~DX全部入り~)
まとめ
今回の記事では目的・背景別に、なぜDX推進が必要なのかを解説しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。