コンサルタント出身者は多くの会社から評価されています。そのため転職市場では非常に重宝されています。ここではコンサルタントが他の業種でどのようなキャリアパスを描けるのか、平均年収と合わせて紹介します。
目次
ポストコンサルとは
ポストコンサルとはコンサルティングファーム出身の転職者のことを指します。コンサルティングファームとは例えば、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、ベイン・アンド・カンパニー、A.T.カーニーなどの企業を指します。ポストコンサルはベースの能力が非常に高いため市場でも高く評価されており、優良成長企業からもオファーもあります。
なぜコンサル経験者は評価されるのか
ここでは、なぜコンサル経験者は評価されるのか3つのポイントに分けて紹介します。
課題解決力
コンサルタントは様々な業界で課題を解決してきております。そのため、非常に課題解決力に優れております。その一因となるのがゼロベース思考です。コンサルタント経験者はあらゆる前提事項や思い込みを排除し、一から前提事項を再確認し、基礎から考える思考が身についております。このため、複雑な問題に対しても状況を整理して的確に解決策を導き出すことができます。
また、コンサルタント経験者は難しい問題に直面した経験も豊富にあるため、困難な課題に直面した場合にもたじろいだり、諦めたりすることがなく解決に導くことも評価のポイントです。
リーダーシップ
2つ目のポイントはリーダーシップ能力です。以前のコンサルティング会社は課題の分析結果や解決方法などを紙(PPT)に落とし込んで終わり、実行は別の会社が行うことが少なくありませんでした。しかし、現在ではコンサルティング会社の需要が高まり、様々な企業が台頭してきたため、実行支援まで行ってプロジェクトを立ち上げ、成功に導いていることがほとんどです。プロジェクトを立ち上げた後、コンサルタントはクライアント企業内外を問わず多くのステークホルダーを巻き込んでプロジェクトを推進していきます。ポストコンサルにはこのようなリーダーシップ力があり、多くの企業に重宝されています。
プロフェッショナルマインド
プロフェッショナルマインドもコンサル出身者が重宝されている理由の1つです。コンサルタントはクライアントにこれまでの知見やゼロベース思考を用いて適切にアドバイスをすることで報酬を得ています。そのため、コンサルタントは報酬に見合うアドバイスを与えるだけのプロフェッショナルマインドが求められます。具体的に考えると、クライアントにアドバイスをする際には長期的な目線、短期的な目線のどちらを重要視するか、それらを考慮し、クライアントの成長に適したアドバイスを行うことです。
また、現在のコンサルタントは自らも実行役としてプロジェクトを成功に導くことが求められます。そのため、コンサルタントは実行においてもプロフェッショナルマインドを持っております。
クライアントへのアドバイスも実際の実行もプロフェッショナルマインドで実施しているポストコンサルは多くの企業で重宝されています。
コンサルの年代別の市場価値
ここでは20代、30代、40代とコンサルの年代別の市場価値を紹介します。
20代
20代はコンサルタントとしては未熟であり、プロフェッショナルマインドも醸成されていません。そのため、企業としてはこれまでの実績を採用するというよりはポテンシャルで採用することが多くなる年代と言えるでしょう。しかし、そんな中でも様々な課題に向き合ってきた課題解決力とクライアントや他のステークホルダーを巻き込んでコミュニケーションを行う実行力は十分に身についております。そのため、他の企業でも重宝されることは間違いないでしょう。
30代
30代のコンサルタントはプロフェッショナルマインドが身についてきており、多くの企業で即戦力として扱われる年代になります。転職市場でも即戦力としての活躍を求められるため、ポテンシャルだけでなく、これまでの経験やその中から得た知識やノウハウも非常に重要視される年代になってきます。30代ともなるとマネージャーやシニアマネージャーにクラスの役職についている人材も多くなってくるため、課題解決力やプロフェッショナルマインドは十分に身についております。また、クライアントや他のステークホルダーだけでなく、部下を巻き込んだリーダーシップも十分に身についているでしょう。そのため、他の企業でも大きな活躍を期待されます。
40代
40代のコンサルタントはプロフェッショナルマインドが身についていないと、転職は厳しくなります。多くの企業からはパートナーや管理職の中でも上層部も役職で採用を検討している会社が多くなります。そのため、リーダーシップ力も課題解決力も十分に身についていることが求められます。また、この年代になってくるとキャリアの方向性がはっきりしていないと転職が厳しくなる傾向にあります。自分がどの分野でどのように活躍したいのか、これまでの実績と今後のキャリアプランをある程度描けていないと企業側は自社のニーズに合っている人材なのかわからず採用を見送ってしまうでしょう。その一方で、キャリアプランが明確で、十分なスキルが身についていれば、高年収でも転職が期待できる年代です。
コンサルタントの主なキャリアパス
ここでは、コンサルタントの主なキャリアパスを5つ紹介します。
ベンチャー企業への転職
1つ目がベンチャー企業への転職です。ベンチャー企業は人材育成にまで手が回っていないことが多く即戦力で活躍することが求められます。コンサルタントの業務経験を重要視し、作業を捌くスピード感や、ハードワークや精神的なストレスに耐えるメンタルが重宝されています。良く求められているポジションは新規事業責任者やマーケティングなどです。会社自身も大きくなっていくことが求められていますので、会社とご自身両方が成長していく過程を楽しめるのが魅力になっています。
中小企業への転職
2つ目が中小企業への転職です。中小企業においてもベンチャー企業と同じく即戦力で活躍することが求められます。そのような中小企業の中でも特にポストコンサルが転職する傾向にあるのが地域内ではトップクラスである中小企業です。多くの企業では業務拡大戦略の1つとしてDXを検討していますが、そのノウハウが蓄積されていません。そのために、ポストコンサルを採用し、DXを進めてもらおうと考えている企業が増えています。
大手日系企業への転職
3つ目が大手日系企業への転職です。大手日系企業ではこれまでポストコンサルにとっては堅苦しい風潮や年功序列制、新卒からの社員を優遇する風土のため、敬遠されている傾向にありました。しかし、近年ではそのような問題が解決しつつあるため、人気が出てきています。大手日系企業としてはグローバル化やM&Aが盛んになっているなかでこれらの対応をポストコンサルに任せてリーダーシップを発揮してくれることを望んでいます。
外資系企業への転職
4つ目が外資系企業への転職です。外資系企業はコンサルティングファームへ継続的に依頼する土壌があるため、これまでにも継続的にお付き合いしているポストコンサルが多く、そのまま転職することがよくあります。外資系企業ではそのような土壌からこれまでプロジェクトとして外注していた案件を内部で行うためにポストコンサルを採用するケースやプロジェクトでコンサルと一緒に案件を進めていく担当者としてポストコンサルを採用するケースが増えています。実力や会社の環境にもよりますが、マネージャークラスだと1000万円を超えるケースもあります。
ポストコンサルでの起業
ポストコンサルは様々な課題解決を行ってきたことから、これまでの経験を活かして起業するケースもあります。全てが自己責任になりますが、成功すれば高収入を得られるのも魅力の1つです。
ポストコンサルがネクストキャリアで注意すべきこと
ここでは、ポストコンサルがネクストキャリアで注意するべきことを3つ紹介します。
継続的な成果
20代のポテンシャル採用にしろ、40代の明確なニーズがあって採用された場合にしろ、なにかしらの成果を求めて企業は採用したことになります。そのため、継続的な成果を出して採用した企業に納得してもらえるように心掛けましょう。成果が継続的に出せない場合、企業側は評価を誤ったということで最悪年収がダウンしてしまうケースもあります。
幅広い能力
ポストコンサルはこれまでの様々なプロジェクトの経験から幅広い知識やノウハウ、能力を持っていると期待されています。専門的な知識やマネジメント能力、課題解決力、リーダーシップなど様々です。これらの能力を遺憾なく発揮できることが求められていますので、転職した際には自身が持っている能力をすべて発揮できているのか確認しながら、仕事を進めるようにしましょう。もし、発揮できていないと感じているのであれば、企業としても不安を感じてしまう可能性がありますので、自身を分析し、速やかに対応策を検討するようにしましょう。
環境への順応
最後の1つは環境への順応能力です。ポストコンサルはこれまで様々なプロジェクトに関わってきており、そのたびにクライアントやチームメンバーが変わり、新しい関係性を築いてきたと思います。この環境への順応能力も採用した企業としては求めています。すなわち、他の転職者よりもより早く環境に慣れ即戦力として活躍することを求められています。そのため、転職した際には速やかに人間関係や会社の組織や役割を把握し、活躍できる体制を整えて行きましょう。ただし、どうしても活躍するまでに時間がかかる人もいますのでその場合には事前に企業に伝えておいて齟齬を無くしておくと良いでしょう。
まとめ
今回の記事ではコンサルタントのキャリアパスについてご紹介しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。