DX事例

小売業界でのDXとは?小売業界のDXにおけるメリット・デメリットを事例とともに解説

小売業界DX
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小売DXとは

小売DXとは、デジタル技術により商品販売の方法を大きく変革したり、顧客分析を高度化してサービス品質を高めるなどして、競争力の飛躍的な向上や、課題解決などを追求することをいいます。

小売業界の現状と課題

小売DXの必要性を考えるうえで、まずは日本の小売ビジネスの現状や課題を、小売DXの先進国とも比較しながら整理してみましょう。

小売業界の課題

日本の小売ビジネスにおいては、次の3つの課題が存在します。

  • ITの発達による価格競争の激化
  • トレンドの移り変わりの加速
  • 少子高齢化による需要と人材の減少

ITの発達による価格競争の激化

ECサービスや価格比較サイトをはじめとした情報ソースが発達したことにより、誰でも容易に複数の製品の価格を比較して、割安なものを選べるようになりました。販売する商品をうまく差別化しなければ、簡単に価格競争に陥りやすい状況となっています。

価格競争の激化は小売業者に取ってみれば利益の創出余地の縮小につながる逆風要因であるため、販売商品や手法の差別化がより一層求められる時代となっています。

トレンドの移り変わりの加速

また、同じくITの発達に加え、多様な製品が販売されるのが当たり前となった昨今、消費者は巷にあふれる情報を参考にしながら、自分の意志で能動的に製品を選べる時代になっています。より優れた新しい商品や商品を訴求する情報が拡散すれば、簡単に消費者の興味が移るようになったため、トレンドが変化しやすい状況となりました。

少子高齢化による需要と人材の減少

最後に、日本では少子高齢化が進んでおり、今後は人口減少が見込まれます。小売ビジネスでは「買い手」が減少すれば市場および売上・収益の縮小に直結していくため、少子高齢化や人口減少は重要な課題です。市場全体が縮小する中で自社の顧客基盤の維持や外国人など新たな市場の開拓が求められています。

日本と小売DX先進国を比較したときの課題

海外に目を向けると小売業界のDXは中国やアメリカなどで積極的に推進されています。

アメリカの場合は、経営者主導で小売業界のデジタル技術の開発と実用化が推進されています。アマゾンに代表されるように、自社でデジタル技術に関するリソース確保や技術開発を積極的にすすめる「内製化」がおこなわれているのも大きな特徴です。

中国では「ニューリテール」という概念がアリババより提唱され、多くの企業においてDXによるオンラインとオフラインを融合した小売ビジネスが展開されています。

このようにDX先進国では多くの小売企業がDXを積極的に推進するなか、日本の小売業界は後れを取っているといわざるをえません。少子高齢化という日本固有の課題もある中で、日本の小売業界は、海外の先行事例なども参考にしながら、DXを積極的に進めていく必要があるでしょう。

小売DX先進国の現状

小売先DX進国である中国とアメリカの現状をもう少し詳しく見ていきましょう。

中国で提唱され導入が進む「ニューリテール」

中国ではアリババが提唱した「ニューリテール」という考え方のもと、小売におけるオンライン・オフライン双方での顧客サービスの向上が積極的に推進されています。

ニューリテールとは、デジタル技術を通じて、顧客中心に考えられた小売サービスを提供しようとする動きのことをいいます。従来型のECサービスは、確かにオンラインを通じて顧客に購入機会を提供していましたが、顧客は自分に合った商品を自分でWebサイト上に探しに行かなければなりませんでした。

ニューリテールのもとでは、顧客の行動をもとに能動的に顧客ニーズに合った商品を提案したり、顧客が求める情報を提供しながら商品販売をおこなうことで、購買を通じた顧客体験を向上させることを目指しています。

また、顧客の購買データやECサービスの遷移データなどをマーケティングに活かして、より顧客満足度を高める小売ビジネスの展開が進められています。

アメリカでは内製化によりデジタル技術の開発・導入が積極化

小売DXはアマゾンやドミノピザをはじめとしたアメリカの小売企業でも積極的に推進されています。アメリカにおいては、CDOなどデジタル技術分野のシニアメンバーを置き、経営層主導でおこなうことで、全社レベルでの大胆なDX推進を実現しています。

また、自社で内製化して独自のDX推進チームやデジタル技術開発チームをおいている点もDX先進国企業の大きな特徴といえます。

小売DXでできること

小売業界にDXを取り入れると、さまざまな変革をもたらすことが可能であり、小売ビジネスをより効率的にしたり、顧客に質の高いサービスを提供したりすることが可能です。ここでは小売DXによって実現可能なことの例を4つ紹介します。

顧客の通行量の可視化による収益向上

店内の顧客の通行量を時間や場所、顧客の属性などで切り分けながら詳しく分析し、それにあった陳列をおこなうことが可能です。顧客は商品が見つけやすくなり、企業はより効率的に商品販売を進めることができるようになります。

店舗経営の効率化

DXは店舗経営を全面的に効率化させることが可能です。例えば無人レジを設置すれば一店舗に必要なスタッフ数を削減することができます。同時にキャッシュレス決済の機会を増やせば、店内に備蓄しなければならない現金を減らし、現金管理の手間を削減することも可能です。

また、在庫管理などもデジタル化すれば、棚卸や発注といったバックでの作業負担が減少するでしょう。勤怠管理も、いまは入室時などにカンタンに記録するツールが多数存在し、社員教育のマニュアルや説明動画をデータ保存しておけば、研修の手間も削減できます。

このようにデジタル技術を導入すれば店舗経営は飛躍的に効率化します、自社の店舗のどこが効率性を阻害しているのかを洗い出したうえで、DXによる改善余地を探ってみましょう。

 OMOによる顧客サービスの向上

OMOとは中国のニューリテールの要素にもなっている「オンラインとオフラインの統合」により顧客サービスの改善を測ることを意味します。

いろいろな方向での統合が考えられますが、例えばシンプルな例ではECサービスでの購買行動をもとに、より顧客が興味を持つであろう商品のキャンペーンやおすすめ商品の情報を絞り込んで提供し来店を促すといった方法です。

その逆に、アプリなどを通じて店舗での消耗品の商品購買情報を管理。消耗品が枯渇しそうなタイミングで来店を促したり、ECサービスで補充できるよう、Web上の動線を案内したりといった方法があります。

小売DXのメリットデメリット

小売DXには複数のメリットがある一方で、短期的にはコスト面などにデメリットもあるので、メリット・デメリット双方をふまえて、自社にとって最適なDXのあり方を検討することが大切です。

メリット

小売DXのメリットは、おもに次の3点にあります。

  • 店舗経営の省力化と人材不足の改善
  • さまざまな部分の業務効率化
  • 小売サービス改善による顧客満足度の向上

ECの強化やセルフレジに代表されるように、デジタル技術の導入によって店舗経営を省力化することが可能です。省力化は店舗経営に必要な人材の数を減らすため、人材不足の解決にもつながります。

またDXでは小売業務のあらゆる場所を効率化可能です。例えば勤怠管理の自動化、在庫管理の効率化や決済手段のデジタル化による資金管理や経理業務の効率化など、デジタル技術によって業務効率化できるところはたくさんあります。

最後に、DXは顧客へのサービス向上にも役立ちます。顧客ニーズをふまえた商品や情報の提供、ECにおけるユーザビリティの高いインターフェースの開発、顧客データを活かした販売商品の柔軟かつ適切な見直しなど、DXが顧客満足度の向上に繋げることも可能です。

デメリット

大規模な変革をおこなう以上、次のようなデメリットは避けられません。

  • 導入に費用や時間がかかる
  • 顧客ニーズとマッチしないリスク
  • 既存ビジネスからの移行がハードルになる

DXでは大規模なデジタル技術の開発や導入が必要になるため、一般的に莫大な費用が掛かります。また一朝一夕で導入が完了することは稀で、計画から完了まで数年単位の時間をかけて順次進める必要があります。その間に人的・金銭的リソースを多く必要とするのはいうまでもありません。

また、例えば高齢者がメイン顧客なのに、ECの機能を充実化しても顧客から見て「複雑化した」と受け取られればDXは逆効果になります。顧客の特性やニーズをうまく捉えておこなわなければ、DXは顧客ニーズとマッチしないリスクがあるのです。

既存のビジネスのやり方から移行することが難しいケースもあります。これはシステム面で移行がスムーズに進まない場合もありますし、現場のスタッフが新しい技術を活用した業務の進め方に難色を示すケースも。DXをデザインする際には、既存のやり方からのスムーズな移行をハード・ソフト両面で計画することが欠かせません。

日本の小売DX事例

最後に日本と小売DX先進国それぞれのDXの事例を紹介していきます。

日本の事例(1)|ユニクロの無人レジ化

無人レジ
(出典:ユニクロのセルフレジが進化!ハイテクレジを利用してみた

ユニクロではかごに入れたまま端末のセンサーに通すと、かごの中の商品を認識し、自動で合計代金を割り出してくれる無人レジを導入しています。店舗のスタッフの削減と決済にかかる時間の削減による快適な小売サービスの提供を同時に実現しました。

日本の事例(2)|イオンリテールのどこでもレジゴー

どこでもれじごー
(出典:イオンリテールは3月より、“レジに並ばない”お買物スタイル「レジゴー」本格展開

イオンリテールでは以前からセルフレジを導入して、有人レジの削減や混雑の改善に取り組んでいました。近年は専用端末を活用してもう一段階進化させた決済サービス「どこでもレジ レジゴー」を提供しています。これは、顧客にスマートフォンを貸出し、スマートフォンによって売り場の食材などのバーコードを読み取れば、購入情報が記録、決済が完了するというものです。

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まとめ

今回の記事では小売DXについて解説しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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