営業職と一口に言ってもさまざまな営業職があります。その中の1つがコンサルティング営業です。コンサルティング営業は本当にクライアントの求めているモノ・サービスを提供する営業であり、他の営業に比べてさらなるやりがいを感じられるでしょう。ここではコンサルティング営業の仕事内容や流れ、必要なスキルを紹介します。
目次
コンサルティング営業とは
まず、ここではコンサルティング営業とはなにかを説明します。
特徴
コンサルティング営業とは名前が示す通りコンサルティングを行いながら営業を行うスタイルのことです。自分自身のこれまでの経験やノウハウを駆使してクライアントの課題を解決に導く提案を行います。また、クライアントの課題に重点を置くため、提案する内容が必ずしも自社のサービスではありません。クライアントの信用を第一に考えているため、上記のような提案を行うこともあります。
業務内容
クライアントの課題や要望などを丁寧なヒアリングで引き出します。この時に、提案内容がクライアントの求めているものと合致していないと信頼に繋がりません。そのため、ヒアリングや情報収集は念入りに行い、細部までクライアントの要望を確認するようにします。そして、その要望を解決に導くために、情報収集や調査を行います。全体が把握出来たら、クライアントの課題を解決するための、提案内容の策定を行います。自社商品と結びつけた提案ができることが望ましいですが、クライアントの業務を考えた結果、別の会社の商品の方がよいとなった場合にはその商品を提案することもあります。
コンサルティング営業と通常の営業の違い
ここではコンサルティング営業と通常の営業の違いを紹介します。
年収
まず年収ですが、こちらも大きく異なります。コンサルティング営業の平均年収は約500万円と全業種の平均年収の450万円に比べて50万円ほど高くなっています。やはり、自ら自発的に考えて、クライアントに提案していかなければならない思考力と積極性が必要な業種のため、年収が高くなっています。
一方、通常の営業の年収は約400万円と平均よりも低くなっております。一部の大手企業の営業などは年収が高くなっていますが、中小企業では年収が低くなっているため、平均すると平均年収よりも下回っているものと推察されます。
営業スタイル
営業スタイルもコンサルティング営業と通常営業では大きく異なります。コンサルティング営業はクライアントの課題を解決することを主軸に置きつつ、自社のモノ・サービスを提案していく流れになります。したがって、丁寧なヒアリングで状況を正確に把握し、競合他社の情報なども含めた業界の理解、総合的な解決策の提案が求められます。
一方、これまでの営業活動は御用聞き営業や提案型営業、ソリューション型営業などさまざまな営業スタイルがありますが共通しているのが自社のモノ・サービス提供に特化していることです。クライアントの課題解決を主眼に置くというよりは自社のモノ・サービスをどのように買ってもらうかに主眼がおかれています。
コンサルティング営業の仕事の流れ
ここではコンサルティング営業の仕事の流れを紹介します。
アポイントの取得
まずはアポイントの取得です。この段階で重要となるのはクライアントの情報を可能な限り収集しておくことです。既存顧客であれば、これまで解決してきた課題の提案内容を振り返る、新規顧客であれば、クライアントの業務内容をWebサイトやパンフレットなどを見て調べることが重要です。また、クライアントの情報だけでなく、業界全体の動向やどのような流れが起きているのかなども把握する必要があります。
ある程度、把握ができて今、クライアントが抱えている課題の仮説を立てることができたら、実際にアポイントを取ってクライアントにヒアリングを行います。
クライアントにヒアリング
続いてクライアントにヒアリングを行います。ここではこれまで検討してきた仮説をもとにヒアリングを行うと聞きやすいでしょう。この段階でのポイントはクライアントの課題を明確にすることです。クライアントの課題を明確にするために細部にわたって繰り返し確認するようにしましょう。場合によっては2度3度と繰り返し、訪問して理解を深めます。繰り返し訪問する際には、毎回これまでに得た情報から仮説を見直して、解決策の大枠まで整理を行ってから訪問するとより理解が深められます。
解決策の提示
クライアントからのヒアリングが終わったら、これまでの情報をまとめて解決策を提示します。解決策を検討する際には自社のモノ・サービスに紐づけることを考えながらも、競合他社との親和性等も確認して、トータルでよいものを提案するようにします。クライアントが求めているものは課題解決であって、自社のモノ・サービスを利用することではないことがポイントです。さまざまな解決策を作成しておき、多角的に検討が出来るようにしておくと良いでしょう。
解決策の検討が終わったら、資料を作ってクライアントに提案しに行きます。この際にはプレゼンテーション資料等を作成し、分かりやすく提案することが求められます。また、提案がすべてではなくて、この提案から新たな改善策をクライアントと一緒に見つけ出していくというモチベーションで進めると、クライアントとの議論も活発になり、自社やご自身に対する信頼性が向上するでしょう。
アフターフォロー
実際にクライアントと解決策の検討に成功し、自社のモノ・サービスを導入してもらえた場合、アフターフォローも重要になります。せっかく、これまでのプロセスで信頼性を構築してきたのに、その後に繋げない手段はありません。適度にクライアントの状況を確認し、今回の自社のモノ・サービスの導入で困ったことがないか、また、それ以外に現在困っている課題がないかなどヒアリングを行います。そして、課題があると感じた場合には、またアポイントの取得から行い、丁寧に解決策の検討を行います。この一連のプロセスを繰り返していくことでクライアントにとっても自社にとっても有益な関係性が築けます。
コンサルティング営業に必要なスキルとは
ここではコンサルティング営業に必要なスキルを5つに分けて紹介します。
ヒアリング力
まず始めがヒアリング力です。このヒアリング力はただ聞く力のみを指しているわけではありません。このヒアリング力とは課題解決に必要な情報を引き出す力です。ただ、クライアントから話を聞いているだけでは課題解決はできません。ヒアリングをしながら、どの辺がボトルネックになっているのかを確認し、深掘りしていく必要があります。このようにポイントを見つけて深掘りする力もヒアリング力には含まれます。
問題解決能力
次に問題解決能力です。コンサルタント営業であるため、問題解決は必要不可欠です。クライアントの特性を理解して問題解決を行います。場合によっては1人では問題解決を行えないこともあるでしょう。この時には自社の周囲のメンバーに助けを求めて一緒に解決案を検討してもらいましょう。これも立派な問題解決力です。問題解決力は自分だけの力ではなく、他人に協力してもらうことも含めて課題解決する方法があることを言います。
思考力
続いて思考力です。クライアントからヒアリングを行っているとき、クライアントの言っていることが理解できなければ、コミュニケーションは成り立ちません。そのためにヒアリングを行いながら、クライアントの言っていることを思考し、ポイントを明確にしなければなりません。また、解決策の検討時にも情報をまとめて整理するためには思考力が必要不可欠です。課題解決までの道筋を考えたりすることも必要です。そのために、思考力はコンサルティング営業に必要なスキルです。
プレゼンテーション力
プレゼンテーション力もコンサルティング営業には必要なスキルです。いくらよい課題の解決策を導き出したとしても、それをクライアントに正しく伝えられなければ意味がありません。また、自社のモノ・サービスがよいものであったとしてもプレゼンテーションが下手であれば、別の選択をクライアントがしてしまうかもしれません。クライアントに本当に良い解決方法を理解してもらうためにもプレゼンテーション力は重要になります。
分析力
分析力も重要になります。クライアントの課題は自社で解決できないということなので非常に複雑であるはずです。コンサルティング営業はその課題を可視化し、ポイントを明確にしなければなりません。
また、自社と競合他社のモノ・サービスの違いを明らかにするときやクライアントの現状を把握するときにもこの分析力は必要です。自社と他社の違いが明確になっていなければ、クライアントに適切にアピールすることができない上に、クライアントの分析ができなければ課題の仮説も立てられません。
そのため、分析力は非常に重要な能力になります。
コンサルティング営業になるには
ここではコンサルティング営業を行うにあたって必要なポイントを2点紹介します。
業界の知識を身に付ける
1点目は業界の知識を身に着けることです。コンサルティング営業は多角的な提案を求められることもあります。そのため、クライアントの競合他社がどのように問題解決を行っているかなど、可能な限りの業界の知識を身に着けるようにしましょう。
粘り強く解決策を模索・提案する
2点目が粘り強く解決策を模索・提案することです。ヒアリングを繰り返しても出てくる情報には限界があります。まずは解決策を仮説でもよいので、提案することも重要です。そうするとクライアントから新たな意見を引き出せることがあります。これを繰り返していってクライアントが満足いくような提案が完成するのです。中々、このプロセスには苦心することもあると思いますが、クライアントと一体となって課題解決を行うという意識で臨むと良いでしょう。

まとめ
今回の記事ではコンサルティング営業についてご紹介しました。DX案件を探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。