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バックオフィスDXとは?必要な背景~メリット~推進の方法論まで

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バックオフィスにおけるDXとは 

バックオフィス業務とは、顧客と直接のやり取りを行わない業務を指します。主な業務としては以下があげられます。

・経理、財務:予算管理、会計業務など
・人事、労務:採用・異動・退職手続き、人材育成、人事評価など
・総務:株主総会・社内行事の企画および運営、設備・備品管理、社内規定の整備など
・法務:契約業務、コンプライアンス対応など
・情報システム:基幹システムの運用、セキュリティ対策など

フロントオフィス業務をサポートし、企業活動を継続していくうえで欠かせない役割を果たしているバックオフィス業務は、企業にとって非常に重要な役割を担っています。

バックオフィスDXとは、デジタルを活用し、このような業務の効率化を目指す取り組みです。


バックオフィスにおけるDXが必要な背景

なぜバックオフィスのDXが必要なのでしょうか。次の2つの観点から、その必要性を確認していきます。 

1. 海外と比較した日本の生産性
2.海外に比べ伸び悩む日本の賃金

1.海外と比較した日本の生産性 
OECD(経済協力開発機構)が生産性に関する国際比較データ(2020年時点)を公開しています。これは、各国の労働時間あたりのGDP(国内総生産:Gross Domestic Product)を示したもので、労働時間に対して、いかに効率的に付加価値を生み出しているかを表す指標といえます。

(参考:OECD GDP per hour worked(Total, US dollars, 2020))

日本はOECD加盟国の平均に劣る水準であり、欧米の先進国に後れをとっている状況です。

では、日本と各国はそれぞれ生産性をどのように向上させてきたのでしょうか。2015年を起点とした国際比較データにより確認します。 

(参考:OECD GDP per hour worked(Total, 2015=100, 2015-2020))

この頃より、国際競争力に大きな影響を及ぼすDXに各国が力をいれて取り組みをはじめてきました。 

このような状況の中、生産性の伸びという観点からも、日本の成長はOECD平均より劣るものであり、各国に対して遅れをとっています。

2.海外に比べ伸び悩む日本の賃金

次に賃金の国際比較データを確認します。 

(参考:OECD Average wages(Total, US dollars, 1990-2020))

1990年から現在に至るまでの間、日本の賃金はほとんど伸びていません。一方、OECD平均の推移を確認すると、同じ期間の間に諸外国の賃金は3割以上も増加していることがわかります。 

ここで確認した生産性と賃金は相互に密接に関連するものです。そのため、生産性向上を実現することによって、以下の効果が得られることが期待されます。

・利益の増加:働く方ひとりあたりが生み出す付加価値の向上
・コストの削減:残業代や固定費等の減少

企業は増加した分の収益を「株主配当」や「未来への設備投資」に活用することに加えて、持続的な成長を実現していくうえで不可欠な優秀な人材の確保という観点から、「賃金の上昇」を通じて働く方へ還元するといった形で活用していきます。

このように、生産性の向上と賃金上昇には大きな関係があります。

バックオフィスのDXの実現を通じて得られるメリット 

バックオフィスDXの効果は、バックオフィス業務にとどまるものではありません。バックオフィス業務そのものの改善に加えて、大きく次の2つの効果が得られることが期待されます。

1.人材の再配置による企業の競争力強化
バックオフィスのDXに取り組むことで、業務の省力化が実現できれば、バックオフィス部門の人材の一部を企業における成長分野や注力分野に再配置をすることが可能となります。これにより、企業として更なる成長を目指していくことができます。

2.フロントオフィス業務の円滑化
バックオフィス業務はフロントオフィス業務と密接にかかわるものです。バックオフィス業務の効率化が進むことによって、フロントオフィス業務をより円滑に実行することができるという効果が期待されます。

このように、バックオフィスのDXに取り組むことによって、企業は会社全体としての生産性と賃金をを向上させることができるのです。


バックオフィスのDXを推進する方法 

バックオフィスのDXを推進するための方法を解説します。

1. AIの活用
2. RPAの活用
3. クラウドサービスの利用

ここでは、それぞれのポイントを順番に紹介します。

1. AIの活用
契約書類や決裁・申請書など、企業にとって重要な書類対応を担う部門においては、それがルールに基づく内容になっているかどうかのチェックに多くの労力がかかります。AIの活用により、担当者にとって負担の大きいこのような確認作業を自動化することができます。

また、社内からの問い合わせ対応として、AIチャットボットを導入することも効果的です。頻繁に寄せられる質問に対する回答を自動化することができれば、担当者の負担を大きく減らすことが可能となります。

2.RPAの活用
RPAとは「Robotic Process Automation」を指します。業務の自動化・ロボット化により、業務効率の向上を目指すものです。

パソコン上で行われる繰り返しの定型業務をロボットに覚えさせることで、同業務をロボットが自動的に実行してくれます。これによって、担当者の作業時間を大幅に削減できることに加えて、ヒューマンエラーの発生を防ぐことも可能となります。

3.クラウドサービスの利用
複数担当者での業務の分業化、リアルタイムでの情報共有を可能にするといった観点から、経理業務や勤怠管理などの効率化が見込めます。

また、ネット環境さえあれば、サービスを利用することができるという点も大きな魅力です。

どこからでもアクセスすることができるため、テレワークなど多様な働き方を実現していくことが可能となります。


バックオフィスのDXを推進するうえでのポイント 

バックオフィスのDXに取り組むうえで、重視したいポイントを3点紹介します。

1.ツールありきではなく、業務の課題にもとづいた対応の推進
2.スモールサクセスの共有、関係者の納得感の醸成
3.業務の一斉切り替え、標準化

1.ツールありきではなく、業務の課題にもとづいた対応の推進

DXを進めるにあたり、業務を効率化するための新たなツールを導入します。ただし、ツールの導入そのものが目的ではありません。ツールを導入する目的は、あくまでも現在の業務が抱える課題の解決、業務の効率化です。

採用するツールを決定し、それを現在の業務にあてはめるのではなく、まずは、現在の業務を見つめなおし、その課題や改善の方向性を見定めたうえで、業務の効率化につながると考えられるツールを判断し、それを導入していくという考え方がポイントです。

2.スモールサクセスの共有、関係者の納得感の醸成
バックオフィスのDXを進めていくためには、担当部門の方々の理解を得ることが不可欠です。業務の方法を新しいものへと見直すというタイミングでは、新たな業務に慣れるのにも時間がかかり、どうしても担当者にとって負担が大きくなってしまいます。

そのような担当者の方も巻き込みながらDXを推進するためには、DXが自分たちにとって意味の大きい取り組みなのだという納得感を持ってもらうことが重要です。そのために、まずは小さな業務改革から着手し、スモールサクセスを生み出すことによって、業務が効率化されたという成功体験を共有します。

これによって、共にDXに取り組んでいく仲間づくりを進めることができれば、より大きな効果をもたらす取り組みに対しても、組織一体となって円滑に対応を進めていくことができます。

3.業務の一斉切り替え、標準化
DXを進めるにあたって、業務の方法を見直す場面においては、全社統一的に新しい業務に切り替えることが重要なポイントです。

ある人は慣れ親しんだ昔ながらの方法で業務を行い、ある人は新たな方法で業務を行うといった状況が生じてしまうと、かえって非効率が生じてしまい、組織としての生産性が下がってしまう恐れがあります。

マニュアル等を整備することによって、標準的な方法を定めながら、全社的に新たな業務の方法へと一斉に移行していくことが重要です。

まとめ

今回の記事では、日本のバックオフィスDXについて、海外との比較を交えて解説しました。コンサルティング案件などを探している方、事例を知りたい方は、ぜひfoRProまでご相談ください。

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